

Unsaved, unsaved
知ってる顔が見えて
階段を一つ降りた
息を止めてやり過ごす
その三秒が上手くなった
一本外した裏道
三分長くて誰もいない
「これでいい」って呟いた声が
思ったより軽かった
いつも構えてたスマホは
カバンの底でずっと黙ってる
Take the long way
Take the long way home
遠回りの分だけ
息ができるなら
誰にも会わない道のほうが
私に合ってる気がした
逃げてるんじゃない
そう言い張って
少しずつ
世界の音が消えていく
画面に指を伸ばして
そのまま下ろした
残したところで
これ、誰が見るんだろう
カメラロール遡る
最後の一枚は半年前
写ってる空の色を
思い出せない
このままでも
困らないと気づいて
困らないことがこわかった
Only the ache
Only the ache inside
きれいだと思う
それだけで終わってしまう
羨ましいも
悔しいも
もう出てこないのに
あの時こうしてればって
その痛みだけが
夜中に目を開けて
何度も私を刺す
いつも寄ってた店に
白い貼り紙
日付を読んでも
いつからか分からない
私がここを通らなくなったのは
この店が閉まるより
ずっと前
前はここで
誰かとご飯を食べた
誰と、が出てこない
避け続けた半年だけが
どこにもない
泣かなくなった
責めなくなった
落ち着いたねって
言われて笑った
治ったんじゃない
減っただけ
誰か気づいて
まだ間に合ううちに
Unsaved, unsaved
And no one knows
容量に余裕がありますって
画面が言う
整理が上手くなったねって
自分に言う
本当は
何もしなくなっただけ
部屋も
道も
それでどんどんきれいになる
遠回りだった道は
今はただの道で
距離は変わらないのに
短く感じる
「保存しますか」って聞かれても
こんな思いは
残したくない
Unsaved
- 作詞者
SoLunia
- 作曲者
SoLunia
- プロデューサー
SoLunia
- マスタリングエンジニア
SoLunia
- グラフィックデザイン
SoLunia
- その他の楽器
SoLunia

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SoLunia
SoLunia
SoLuniaは、「救いよりも、共感を。」を掲げ、孤独や不安、誰にも言えない感情を、エレクトロニック・ロックのサウンドで描く音楽プロジェクトです。
新作「Unsaved」は、人と関わらないことの楽さを覚えたことから、会うことも、記録を残すことも、感情を動かすことさえ少しずつ減っていった人の歌です。
気づいたときには、残したくない自分だけが残っていました。
きっかけは、誰かに傷つけられたことではありません。
知っている顔が見えたとき、気づかれる前に道を一本変える。少し遠回りになるだけで、誰とも話さずに帰れます。
その日は、思っていたよりも軽く息ができました。
嫌な人がいたわけではありません。それでも、会わない道のほうが楽でした。
一度そう決めてしまうと、次からは考えなくても同じ道を選ぶようになります。
誘いを断る理由はいくらでもあります。忙しい、疲れている、また今度。どれも嘘ではありません。
そうして人と会わなくなると、写真も減っていきます。
消したわけではありません。残さなくなっただけです。
やがて減っていくのは、予定や写真だけではありません。
誰かをうらやましいと思うことも、悔しいと思うことも少なくなる。泣かなくなり、怒らなくなり、まわりからは落ち着いたように見える。
「Unsaved」が描くのは、その先です。
回復したのではなく、反応する量が減っただけでした。
それに気づいても、もう簡単には止まりません。
半年誰とも会っていないと気づいた翌日も、帰り道では人の少ないほうを選んでしまう。本当は誰かに気づいてほしいのに、声の出し方がもうわからない。
しかも、生活は壊れていません。
仕事は回っている。毎日は続いている。明確に困っていることもない。
だからこそ、自分の中で何かが削れていることを、誰かに説明する言葉がありません。
電子的なビートとロックの質感を重ねたサウンドは、最初から最後まで速度をゆるめません。
強く鳴る場面と密度を絞る場面を行き来しながらも、音は完全には止まらない。その止まれなさを、自分でも止められなくなった変化の進行と重ねています。
終盤も静かに収束することはありません。
もっとも大きく感情が鳴っているところで、そのまま音は断ち切られます。
何かを取り戻したわけでも、答えを見つけたわけでもない。
保存したくなかった時間は消えているのに、後悔だけが片づかないまま残ります。
アーティスト情報
SoLunia
「救いよりも、共感を。」 SoLuniaは、孤独や不安を"そのまま"受け止める音楽プロジェクト。 名前は「Sol(太陽)」「Luna(月)」「ia(場所)」を組み合わせた造語で、光と影の狭間——どちらにも属さない曖昧な感情が息をできる場所を意味する。 前向きな励ましではなく、「同じ場所にいる」という静かな共鳴を届ける。承認欲求、デジタル社会の断絶感、動けない日々への恐怖、「大丈夫」という嘘——誰もが抱えながら口にできない痛みを、歌と映像で静かに描いていく。 体験や経験をもとに、AIを含むさまざまな制作技術と手作業を組み合わせながら、歌詞・音・映像がひとつの感情として重なる表現を追求している。 代表曲に「Validation Economy」「Tearless」「unfelt」「I'm fine...」「Endless Pain」など。
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