向かいホームのディヴィジのジャケット写真

歌詞

向かいホームのディヴィジ

Akemi

夜のホームに 夏が残ってる

アナウンスが読む あの駅の名に

まだ顔を上げる 癖のままでいる

春のコートは もう畳んだのに

白い灯の下 向かいのホーム

見覚えのある 鞄と背広

上りのあなた 下りの私

線路二本の 幅の遠さ

目が合うまでの 数秒の長さ

口の中でだけ 転がす「元気」

同じ方向に もう帰らない

鞄の持ち手を 持ち替えている

接近を告げる 構内放送

あなたが先に 頭を下げた

私も返す 声は出さずに

生ぬるい風 ホームを抜ける

下りの先には 育った町

二十歳の窓は 上りだったわ

発車のベルを 背中で聞いた

だから会釈は 深くしないの

下りの灯り 先に滑り込む

先に来たなら 乗るのが作法

あの駅の名は 音だけになる

扉が閉まる 音は一度で

動き出す窓 自販機の赤

向かいのホームが 夜に混ざってく

車内放送に 顔は上げない

窓には夏が 流れて消える

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

向かいホームのディヴィジのジャケット写真

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    向かいホームのディヴィジ

    Akemi

「向かいホームのディヴィジ」は、春に別れた人と夏の夜の駅で行き合い、別れが方向の分岐として初めて目に見えるまでの数十秒を描いたミディアムテンポのシティポップ。
白い灯の並ぶホーム、見覚えのある鞄と背広、線路二本ぶんの幅、接近を告げる構内放送、そして先に下げられた頭――上りと下りへ分かれた二声のように、同じ駅に立ちながらもう交わらない距離が、季節をひとつ跨いでも消えない癖の在りかを静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、口の中だけで転がした「元気」を線路の向こうへ投げず、会釈の浅さひとつで別れを引き受ける大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏の夜の駅、車内放送、帰り道の湿度感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

先に滑り込んだ下りに、先に来たなら乗るという作法だけを理由に乗り込むその一歩。
扉の閉まる音が一度きり響いたあと、あの駅の名は降りる場所ではなく音だけになる――そんな喪失の定着を描いた楽曲。

Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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