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従前より鈴木諭がBGMとして制作していたインスト和風曲の中から、気に入っている曲を抽出及びリアレンジして1枚のアルバムに纏めたのが、本作『音筏』である。
「田舎で生まれ育ったからこそ描ける、景色の見える和風曲」というコンセプト通り、タイトルには郷里秋田の地名などが散見される。これまで彼が主として発表してきたロック系統の楽曲とは大幅に印象を異とするものの、一貫して通ずるものはやはりキャッチーなメロディではないだろうか。
聴きどころとしては、全て自身で演奏したという三味線の切ない音色は勿論のこと、クラシック・電子音楽など多種多様なジャンルを和で料理している、バリエーション溢れる楽曲に耳を傾けて欲しい。
言葉が無いからこそ、ただただ無心に心落ち着けて聴ける一枚だと筆者は感ずるところである。
秋田県出身の音楽人。多数の楽器を自身で演奏しながら音源制作を行い、20年に1stアルバム『季節を透いて見る旧時』・21年に2nd『アトピーのうた』を発表。22年にはインスト和風アルバム『音筏』及びシングル3曲や23年にもシングル2曲を発表するなど関心の趣くままに多種多様な音楽を創出。 とくに代表曲である『犬の川』はライブ演奏を通し多数の人間から「これは犬の楢山節考だ」などと激賞され、『アトピーのうた』は自身と同じようなアトピー患者の方にじわじわと支持を得ている。 23年よりライブ活動に力を入れ始め、秋田弁ブルースや地元民謡も唄うなど、自身の郷土を見つめ始めた。
哥処 墨林庵