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《響きの美術館 — 西洋名画十景 第三集》は、シリーズⅠ・Ⅱで築いた「聴く美術館」の世界を受け継ぎ、近代の孤独、崇高、視線、反抗、そして静かな官能へ踏み込む三部作の最終章です。ホッパー《ナイトホークス》のガラス越しの都会の孤独、スーラ《グランド・ジャット島の日曜日の午後》の点描の光、ゴヤ《1808年5月3日》の人間の尊厳、フリードリヒ《雲海の上の旅人》の内省的な崇高、ジェリコー《メデューズ号の筏》の絶望と希望。さらに、ピカソ《アヴィニョンの娘たち》の近代の断裂、マネ《草上の昼食》の挑発的な視線、マグリット《イメージの裏切り》の概念的な謎、ホイッスラー《ホイッスラーの母》の沈黙と記憶、フラゴナール《ぶらんこ》の秘密めいたロココの輝きが、歌詞のない室内オーケストラとして響きます。ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、木管、ハープ、チェレスタが、絵画の光、余白、構図、視線を音に変え、静かな鑑賞を深い没入へ導く一枚。聴くたびに、名画は壁を離れ、時間の中で新しい表情を見せます。
坂本松昭は、音楽に宿る美しさの法則を独自の視点で読み解き、知性と感性を響き合わせる音楽家・作曲家です。旋律、リズム、和声、音色、間合い、余韻、そして聴き手の心が動く瞬間を丁寧に見つめ、数値や記録から得た洞察を、詩情と温かさに満ちた音楽へと昇華させます。データに基づく分析は感性を縛るものではなく、表現をより深く、鮮やかにするための創造の手がかりです。緻密な構成と豊かな情緒が自然に溶け合う坂本松昭の音楽は、現代的でありながら普遍的な響きを持ち、聴く人の心に静かな余韻と新たな感動を残します。
ミューズ・ピアノ・ワークス