二十年のジャケット写真

歌詞

螺旋

sasano

埋めたはずだった

埋めた場所を忘れただけだった

骨の奥で

何かが鳴っている

名前だったか

声だったか

傷だったか

思い出せない

それなのに

腐らない

螺旋

まだいる

螺旋

誰が呼ぶ

骨の奥で

鳴り続ける

名前だったか

誰だったか

海の底へ沈めた

沈めたつもりだった

夜になるたび

白い腹を見せて浮いてくる

土の下から

また何かが伸びていた

花ではない

骨でもない

記憶でもない

それなのに

見覚えがある

触れれば崩れ

離れても残る

名前を失っても

形だけ残る

傷のまわりを

ぐるぐるまわる

出口を探すみたいに

ぐるぐるまわる

消えたのは

季節だったか

海だったか

誰だったか

わからない

ただひとつ

残っている

螺旋

まだいる

螺旋

誰が呼ぶ

骨の奥で

鳴り続ける

名前だったか

誰だったか

朽ちるまで

朽ちてからも

同じ場所を

少しずつ外れていく

戻るたび

景色だけ変わる

遠いのに

またここへ来る

埋めた場所を探していた

そう思っていた

違った

探していたのは

場所じゃなかった

掘り返すたび

同じ音がする

胸の奥で

何かが鳴っている

誰だったか

思い出せないまま

ここまで来た

螺旋

まだいる

螺旋

誰が呼ぶ

骨の奥で

鳴り続ける

名前だったか

誰だったか

まだいる

まだいる

骨の奥で

鳴り続ける

螺旋

まだいる

螺旋

誰が呼ぶ

  • 作詞者

    sasano

  • 作曲者

    sasano

  • プロデューサー

    sasano

  • ボーカル

    sasano

二十年のジャケット写真

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人生は、少しの後悔と未練があるほうが美しいでしょ?

アーティスト情報

  • sasano

    「幸せを歌わない、死を歌う」 二十年以上前に実在したひとりの女性との死別を原点に、その女性が死後の世界から残された人や世界を見つめ、歌っているという視点を核にオリジナル作品を制作。 後悔、未練、悔しさ、羨望。 人の「負」の感情を、あえて死者側から描き、音楽として残す。 人は美しい感情だけではできていない。 その「負」も美しく音楽にしたい。 量産的な表現とは距離を置き、実感のある言葉と一貫した世界観を軸に作品を形にしている。 歌詞の執筆をはじめ、世界観・コンセプト・ディレクションを手がけ、歌唱・音源制作にはAIを制作ツールとして取り入れ、一つひとつの作品を生み出す。 ※「遺書」のみ、実際に残された言葉をもとに再構成した作品。

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