

週末の雨が上がる 路地裏の隠れ家
重たい木扉(ドア)を押し開ける 十時の指定席(シート)
ポケットの底 冷たい硬貨(コイン)を握りしめ
カウンターの端 いつもの横顔を探す
国道(いちろく)沿い 似た者同士はただの檻で
いつか壊れる空騒ぎを 背にして逃げた
なのに都会(ここ)では 同じ沈黙(おと)を選ぶだけで
ほどけた心が 自由に泳ぐ気がした
硬貨(コイン)が落ちる 機械腕(アーム)が動く
硝子の向こう 黒い円盤(レコード)が回り出す
「それ、僕も選ぼうとしてた」
不意に落とされた声に 呼吸(いき)が止まる
振り向かないまま 硝子に映る影を見る
重なる視線(め)が 微熱のように触れる
「B面のほうが好きなんだ」と笑うから
隠してきた私の歴史(かこ)を 見透かされたようで
「私もです」と 喉元まで出た共感(ことば)を
飲み込むのは 期待の先の喪失(おわり)が怖いから
米軍機(フライト)の爆音(おと)に消えた 幾つもの約束
始まれば終わること 痛いほど知っている
最後の和音(コード)が溶けて 静寂(しじま)が落ちる
振り向けば始まる この透明な境界線(ライン)
言葉の代わりに もう一枚の硬貨(コイン)を
あなたの次の選曲(きょく)に そっと重ねて響かせる
「いい曲ですね」と 主語をずらして席を立つ
冷めたふりして 指先はまだ熱いまま
重たい木扉(ドア)を押し開け 夜気に触れる時
一秒だけ振り返る 次の週末(きんよう)を予感して
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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硝子のジュークボックス
Akemi
「硝子のジュークボックス」は、週末の路地裏にひっそりと佇むバーを舞台に、言葉にならない共感と、始まりの気配に揺れる心を描いたミディアムテンポのシティポップ。
雨上がりの夜、重たい木扉、冷たい硬貨、硝子越しに回り出す黒い円盤――都会の静かな隠れ家で交わされる視線と選曲が、触れそうで触れない距離感のまま、淡い熱を帯びていく。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、期待の先にある喪失を知りながらも、それでも誰かと同じ音を選んでしまう大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夜、レコード、沈黙のやり取りを通して恋の予感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
言葉の代わりにもう一枚の硬貨を重ねる、そのささやかな仕草。
始まれば終わると知っていても、次の週末を予感してしまう――そんな透明な境界線の上に立つ心を映し出した楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



