Lyric

氷の都市に文字を落とし 汚して拭くフロア ドアノブ

容赦なき帯域で息を切らすとき 知らぬ鳥が空を飛ぶ

人の声かこれは いや否である 今でなく昔に不可思議な

悪阻 偽り無き室内に人がいる 今でなく

この不条理に対しあまりに無防備なわたしが相応しい大地

帰服する地物 着る服を風はすべて剥ぎ取る

鉄は感情を摘み取る プラグで繋がれている人の脳

自己の意志を紐解こうとするがリモートコントロールされている

驚くほどの渇き 栽培された人に水をやる

微塵の器 靴はSoleが剥がれ落ちている 心地良い苦痛だ

勝り劣る幾度か 失望がこの身を潰すとき

其れは腕をたて全身の負荷を詩にする不壊のカリウス

異物に絡み付く包帯解く Horizon 脳波 異常

兄弟よこたえろ 裁断の香り 骨の軋む音で対話するノエマ ノエシス

声にすることをゆるされたこの熱病

皮膚の結露 Node もっと強く叩き付けろ黄泉の鉄床

訴える現世 デメニギス 酩酊に水をかける岸辺で

方角を得る混迷 十分な深さがあるさぁ飛べ

未だ起こりうる獰猛な虚妄 輪廻 切れたイヤリング

三度打つケミカルはS、SとK 覚悟して受け取れ

すり抜ける風船の紐 どうしても残しておいてくれと

この腕を掴んでいたかつてのあのあどけない風景 時計塔

崩れそうになる日干し煉瓦のせいだ 亀裂が肉体まで伸びる

生きてゆく悪夢 寝返りをうつ 背後には常に最期

傷をつけた人がいる 贖罪の道を探す 感覚は皆無

唾液混じりの指を逃れ渡る橋 また昔の悲しい話をしている

この惑星に生きる価値を探し息をするために錆の混じる空気

水を含んだ闇を持ち上げる

歳をとらず生きているこの空想の岸辺 対岸は遠退く

人の数が減るベンチ ネジを抜く老婆 残された五感

極寒 心ないからだ 下げる真珠 超自我

胃に詰めて戻すレミニセンス アーケード すれ違うあの頃の

幻視 幻聴 全知全能の神の髪の毛のマリオネット

鞭のように目を叩くミストレスの絵図 馬の尻尾 腹裂かれた騎乗は

胎内は 不完全な薄闇だ 瞼 斑

異質なる光抱き、愛でるものはいつも奇態なり