Lyric

ひどく錆びた街頭とか

その横顔も全部

オレンジに染まっている

どこか綺麗に映る人だかり

アスファルトの上に思い浮かぶ言葉を

踏みつけながら　夜へ近付いていく

明日へ急ぐ街を引き留めようとして

その指に手を伸ばした

振り向いた君の傍を

風が通り抜けていった

この前観た映画から

だいぶ昔の後悔まで

目の前に散らかっている

調子外れに鳴り響く誰かの声

信号待ちの後ろ　置き去りの言葉を

振り切るように　駅に近付いていく

日常へ帰る景色から遠ざかるように

君が足を止めた

振り返れば

夕日がビルの向こうに沈んだ

ありふれたストーリーも

登場人物になってしまえば

続きを求めてしまう

例えば美しくない

終わりを迎えるとしても

明日へ急ぐ街を引き留めようとして

その手を強く握った

笑ったように見えた君のこと

頬に風を感じながら見ていた