

大和の縁側 夏の終わりの夜
蝋燭を一本 芯が鳴る
物入れの奥 湿った花火
去年二人で 残した一束
紙縒りを指で そっとつまみ上げる
蝋の火を近づけ ぱちりと灯る
去年は君が 私の分も
火を点けるのが 好きな人だった
蕾がふくらみ 牡丹になる火
松葉が散って 指に届く熱
揺れれば落ちる 引けない手のまま
火球を見てる 息を止めたまま
散り菊に変わり 火花が細る
光の輪が 少しずつ狭まる
君はこの先を 見ずに次へ
私は最後まで 落ちるのを見る
子どもの頃 引地川の灯籠
見えなくなるまで 水面を追った
消える瞬間を 逃さない癖
終わりは終わりと 見届けてしまう
ふくらみきって 牡丹が重くなる
ぱちりとひとつ 最後の火花
ぽとりと落ちて 庭が闇に沈む
君のいない夜 音が消えた
残り一本 点けずに戻す
蝋を吹き消せば 闇が降りる
目が慣れるまで 動かずにいる
闇に浮かぶ 去年と同じ庭
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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火花のディミヌエンド
Akemi
「火花のディミヌエンド」は、終わりを最後まで見届けてしまう女の、ひとりきりの別れを描いたミディアムテンポのシティポップ。
夏の終わりの縁側、一本の蝋燭、湿った線香花火、蕾から散り菊へと細っていく火花、そしてぽとりと落ちて闇に沈む火球――去年は二人で点けた火を一人でなぞる夜が、見届ける者と見届けない者の差を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、引き止めることも引き延ばすこともせず、落ちる瞬間まで見てしまうことでしか別れを受け取れない大人の孤独。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夏の夜、郷里の庭、消えていく光を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
火球が落ち、庭が闇に沈んだあと、蝋燭を吹き消して目が慣れるまで動かずにいる。
浮かび上がるのは去年と同じ庭――そんな成熟した別れの余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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