Lyric

八月、夕暮れ、茜射す水たまり

落ちる影が象る街の輪郭

差し出す指先に触れる君の体温を

バスを待つ静けさの中に感じた

夢の続きを描くように季節が通り過ぎていった

もう、すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

君の温もりがまだ消えないから

すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

いつもそばにいるから

誘蛾灯に染まる君の背ひきとめた

星屑こぼれる街路樹の下で

「好きだよ」って囁いた私の声に

振り返る横顔が滲んで見えた

夢の続きかき消すように夏が遠くなっていった

もう、すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

君の笑顔さえ思い出せないから

すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

いつもそばにいるから

夕凪のバスを待つ感傷も

見上げる空こぼれる群青も

胸からあふれ出すこの想いも

全部、全部、全部

ふたりでいれば輝くんだって

となりでいれば輝くんだって

君は知っていたかな

もう、すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

君の温もりがまだ消えないから

すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから……

もう、すこしずつだけでいいよ

すこしずつだけでいいから

君の温もりがまだ消えないから

バス停、誘蛾灯、見上げた空

雨も風も街も全部

僕の中で生きてゆくから