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洗練されたポップスの様式(no clean pop production)やEDM系の派手なドロップ、そして人工的なピッチ補正(no AutoTuned vocal perfection)を徹底的に焼き尽くし、1980年代末マッドチェスターの気怠いグルーヴ(baggy, madchester)にサイケデリック・ロックの残響、そしてゴスペル・ソウルの救済と初期アシッド・ハウスのトランス感を融合させた、密室的でありながら無限の広がりを持つ飽和音響です。BPM96前後のルーズなシャッフル・グルーヴ。イントロから全編にわたり、深くうねるハモンドオルガン(swirling hammond organ)と温かいアナログのパチパチとしたビニール質感(dusty vinyl texture)の上を、トレモロギターの揺らめきが覆い尽くし、内側に祈りを孕んだサイケデリックなトランス状態(spiritual rave energy)を構築しています。
歌詞の核となるのは、ドラマを拒絶したフラットな現実主義。「火曜日の母親からの電話、住所のない部屋での停滞、自分が決して障害物(壁)ではなく、ただ流れる水(実存)そのものであるという冷徹な受容。理想の明日を完全に拒絶し、ただ『現在の循環』の中に佇む男の平熱の独白」。あえて生々しい呼吸や掠れを残したぶっきらぼうな会話調のボーカル(confessional vocal delivery)は、残響ゼロの超至近距離で収録。サビではエーテルを孕んだ女性のバッキングボーカル(ethereal female backing vocals)と、素朴なコール・アンド・レスポンスの合唱(call and response choir)が混ざり合い、圧倒的なカタルシスを放ちます。特筆すべきは、終盤のブリッジ(Bridge)の背後で発動する「隠された仕掛け(micro-shift)」。ドラムのグルーヴが一瞬だけ「16分音符1つぶん後ろに転ぶ」という修正無しの不穏な揺らぎが、リスナーの無意識に心地よい時間歪曲の錯覚を植え付けます。最後はフェードアウトを真っ向から拒絶し、孤立したベースラインの1音の後、カミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。