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2008年にかもめ児童合唱団と出会いCD制作を始めるようになって10年が過ぎました。
子供たちはどんどんと成長して入れ替わってきました。
中学生になってもずっと歌っていて欲しいと思うけれど、部活動や受験や思春期のモヤモヤを迎えてみんな離れて行ってしまいます。寂しいなあと思うけれどそれは仕方の無いことでした。
そんな時、僕だけが同じ場所に立ち止まっていて、僕以外のすべてが大きな回り舞台に乗ってゆっくりと動いているように感じます。
ある日僕は舞台を降りました。
そしていつの頃からか、新しい歌を聴かなくなりました。
流行のファッションに興味が無くなったように。
すべてが同じ方向を向く時代の流れを離れたいと思ったし、現実の社会があまりにも理不尽で自然や他者に対するリスペクトを失っているように感じてしまったのです。
誰もが先へ先へと急ぐ中で、過去へ過去へと遡って行くとそこには素敵な歌がありました。
今作に収録されている不滅の名曲たち。歌は人生を彩るサウンドトラックで、楽しかった思い出や、描いた夢や、時には悲しい出来事も含めて心に呼び戻すことが出来るのです。
ひとつひとつの歌の中のそれぞれのメッセージを、きっと子供たちなりに受け止めて歌っています。大人の恋の歌も深遠な詩の世界も、無垢な心のどこかで折り合いを付けて歌っているのです。
面白いのは楽しくて明るい歌が妙に物悲しく感じ、しっとりとしたバラードが何故か妙に明るい。理由はともかく、かもめ児童合唱団の最大の魅力です。
世の中は、明るさの影には闇があるし、悲しい時こそ笑顔で乗り越えなくちゃいけないことばかりです。
実はこの子たちの歌に学んでいるのは、僕自身であり大人たちなのだと思います。
このアルバムを聴いてくださったみなさんと、素晴らしいワンダフル・ミュージックに心から感謝します。
かもめ児童合唱団 プロデューサー / 藤沢宏光
三浦半島最南端の港町、三崎港を拠点として活動する、泣く子も黙る?「かもめ児童合唱団」。 2008年よりCD作品の制作が行われ、現在(2024)までに4作のオリジナルアルバム「焼いた魚の晩ごはん」「インターネットブルース/デラックスエディション」「ワンダフル・ミュージック」「海に向かって歌う歌」や、EP盤、アナログLP盤など多数の作品が発表されています。 坂本慎太郎・ホフディラン・曽我部恵一・kiss the gambler(敬称略)などいろいろなアーティストとのコラボレーション作品や参加作品も随時更新されています。 野外ロックフェスや空き地ライブと称した自主ライブも行っています。 「みんなで歌えば、それが合唱!」というコンセプトで自由で伸び伸びとした歌声に全国で感動の輪が広がっています。
ミサキドーナツレコーズ