

暮れる井の頭 池が銅色
冷たい鎖を 両手で握る
あなたは隣の 座板を軋ませ
何も言わずに 足を遊ばす
さっき観た映画の 続きのように
「また今度」って 鎖が軋む
漕げば近づき 止めれば戻る
言葉はいつも 弧の真ん中
蹴って高くへ 弧を描くたび
最高点で 息が止まるの
今なら言える 宙のひととき
でも戻される 地面の方へ
あなたが先に 座板を降りて
砂に長い影 二つ伸びてる
こっちの弧だけ まだ揺れていて
降りる切っ掛けを 探してしまう
金網越しの 声は届かなくて
聞こえるだけの 夜に慣れてた
踏み込まずにいれば 壊さずにすむ
だから漕ぐの 言葉の手前で
つま先で砂を 擦って止める
高い弧はもう 描かないでおく
最高点より この低い揺れ
地面に近い ところで止まる
「次はいつ」とは 聞かないままで
つま先で砂に 短い弧を引く
止めたブランコ 鎖はもう鳴らず
夕闇に残る 鉄の冷たさ
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“ブランコのトワイライト”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
ブランコのトワイライト
Akemi
「ブランコのトワイライト」は、映画の帰りに座った夕暮れの公園で、次に会う日を言い出せないまま二つのブランコを漕ぐためらいを描いたミディアムテンポのシティポップ。
銅色に暮れる井の頭の池、両手で握る冷たい鎖、隣で軋む座板、砂に伸びる二つの影、そしてつま先で砂を擦って止めるブランコ――漕げば近づき止めれば戻る弧の往復が、踏み込む側になることを避けたまま揺れる心を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、曖昧な「また今度」に日を決めれば自分が踏み込む側になると知りながら、縋るのでも咎めるのでもなく、自分のつま先で弧を止めて距離を自分で決める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、夕暮れの公園、ブランコの軋み、名前を持たない関係の距離感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
弧の最高点で息が止まる一瞬だけ言葉に近づき、地面へ引き戻されるたびにまた黙り込む。高い弧はもう描かず、地面に近いところでつま先を砂に擦り、自分の足でブランコを止める――そんなためらいの数分間と、縋らずに距離を選ぶ静けさを描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
Akemiの他のリリース
nanayon music



