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シカゴを発祥とする高速フットワーク(Juke/Footwork)の激しく急かされるような160BPMの変則的なリズム(タム・シンコペーション)と、細切れにされた音声サンプルの超高速カットアップ、そしてそれらを優しく包み込む美しく静謐な環境音(アンビエント・パッド)が脳内で奇妙に同居する、多幸感と不安定さが背中合わせになった極めて実験的でハイパーアクティブなジューク・アンビエント・ポップです。楽曲を特徴づけるのは、完璧なグリッド(小節の安定)を嘲笑うような「超高速のトリプレット(3連符)キックと、不意に音飛び(スキップ)するようなサンプラーの誤作動感」。ヴァースの内省的な歌詞「Colors burst in shattered streams(砕け散る色彩の奔流)」と完全にシンクロするように、16分音符単位で切り刻まれたマイクロ・ボーカル・サンプルがステレオL/Rへ激しく明滅し、聴き手の空間認識を激しく揺さぶります。
楽器構成は、重低音を這う歪んだサイン波のサブベースと、鋭いフットワーク特有のクリック・キック、そしてそれらとは対照的に宇宙空間を漂うような「美しくどこまでも豊かに広がるフローティング・アンビエント・パッド(floating ambient pads)」のみ。サビ(コーラス)の「Spinning out, Falling in」というミニマルな言葉のリフレインに合わせ、まるで意識がブラックホールへ吸い込まれていくような、陶酔的でありながらどこか冷徹な催眠効果(ヒプノティック・ループ)を敢行。近代的なハイエンド・ポップスの緻密な音圧(デジタル・ポリッシュ)をまといながらも、予定調和なEDMのビルドアップや爆発的なドロップ構造を完全に拒絶し、中盤のブリッジ(音響の破片が衝突するセクション)では一転してベースと細切れのサンプルだけが真空の空白(3秒間の通信途絶)を挟んで激しく明滅。最後は安易な解決コードやスタジオ・フェードアウトに頼らず、すべてのサンプラーの電源が同時に落ちたかのようにプツンと16分音符の途中で完全な真空の静寂へと遮断(ゲート・リミッター遮断)される、電脳世界の甘美な悪夢を体現した傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。