

最近、時間が先に行く
おれは少し遅れて ついていく
電話が鳴ると
懐かしい匂いがする
北海道の雪の話
同級生の声だと思った
「いつもの感じで」
そう言われて うなずいた
昔から それでうまくいってた
玄関に 白い箱
知らないうちに来ていた
孫が立ち止まって 何か言ってた
でもよく聞こえなかった
おれは買ってない
それだけ 本当だった
怒られてる気もしたし
違う気もした
おれには わからなかった
なにが 困らせてたのか
孫の声が少し
低くなってたこと
鍋の湯気 カニの匂い
孫は笑ってた
たぶん 笑ってた
「高いよ」って言ってたけど
おれは北海道を 思い出してた
朝になると出かけたくなる
会社に行かないと
そう思ってる
道は頭にある
毎日 歩いた道だ
なのに
知らない通りに出る
孫がすぐ来る
「どこ行くの?」って聞く
心配してるのか
監視してるのか
わからない
おれには
わからなかった
なぜ
聞かれるのか
ただ
外の空気を
吸いたかった
だけなのに
今日は
孫がいない
説明はいらない
そう思った
でも玄関の戸が
開かない
鍵は
覚えてる
カチ
カチ
それでも動かない
力を入れた
何度も
少しずつ
3センチ
それだけ開いた
それで
十分な気もした
でも
向こうには
行けなかった
孫がいると戸は開く
不思議だ
おれが できなくて
孫ができることが 増えていく
おれには わからなかった
何が変わっていたのか
でも孫の背中が
少しずつ前にあった
玄関の前で立ってる
行きたい気もするし
ここで いい気もする
おれはまだ 考えてる
- 作詞者
ネオDJもりこ
- 作曲者
ネオDJもりこ
- プロデューサー
ネオDJもりこ
- ソングライター
ネオDJもりこ
- リミックス元のアーティスト
ネオDJもりこ

ネオDJもりこ の“行き止まり”を
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行き止まり
ネオDJもりこ
遠藤美智子著
『忘れても愛は消えない』
https://amzn.asia/d/a2pdr0V
この書籍は
要介護者である父(ジジ)
日常の介助を担う姪(孫)
そして その決断のすべてを引き受けた娘であり著者の遠藤美智子さん。
この三重構造で描かれる、稀有な介護の記録です。
物語は認知症を患った
父(ジジ)の視点でも語られていきます。
「なぜ外に出られないのか」
「なぜ玄関の戸が開かないのか」
「なぜ孫はいつも心配そうに見ているのか」
本人には理解できない出来事が
日常の小さな違和感として積み重なっていく様子を遠藤さんは記録されていました。
その傍らに、いつも若い姪の存在があります。ジジを責めることも、押さえつけることもせず、ときに笑い、ときに戸惑いながら、生活を“回していく”存在。
彼女の行動は正しく、懸命で、そしてどこまでも優しい。
しかし、この物語の最も深い場所にいるのは、すべてを知っている娘、遠藤さんでした。
父の異変に気づき、孫の負担を感じ、
施設選びや判断を「本人抜き」で進めてしまった自分。
誰かを責める物語ではありません。
むしろ、「正しかったはずの判断のあとに残る後悔」「どこまでやっても消えない“もしも”」
を、娘さん自身が背負い続けていくことを覚悟して描かれた物語です。
家族介護は、うまくやれたかどうかでは終われません。終わった“あと”に、ようやく押し寄せてくる感情があります。
この本は、介護のノウハウでも、答え集でもありません。ただ、「今、誰の立場で読んでも、胸に残る」そんな1冊です。
「ジジの視点での歌」解説文
この歌は『行き止まり』は要介護者である“ジジ”の視点から描いた楽曲です。
カニの電話を信じてしまったこと。
玄関の戸が、なぜか開かなくなったこと。
孫が心配そうに立つ理由が、わからなかったこと。
ご本人にとっては「悪気のない日常」であり、「少しずつ奪われていく当たり前」でもありました。
この歌では誰かを責める言葉は出てきません。
ジジ自身も、孫も、娘も。
みんながそれぞれの立場で
精一杯だったという前提で描いています。
だからこそ、聴いている人の立場によって
聴こえ方が変わる歌です。
・介護を受ける側として
・介護をする側として
・見守り、決断を引き受ける側として
この歌が、介護の真っ只中にいる方にも、終えたあとで言葉を探している方にも寄り添えたらと思います。
ぜひ書籍もご一読ください。
遠藤美智子著
『忘れても愛は消えない』
https://amzn.asia/d/a2pdr0V
アーティスト情報
ネオDJもりこ
ネオDJもりこ(Neo DJ Moriko) 現役の病棟看護師として命と向き合いながら、もうひとつの顔は「音楽で物語を届ける AIソングクリエイター」。 AI音楽ツールを駆使し、副業仲間やKindle書籍、そのほか配信者の人生を1曲に閉じ込めた“イメージソング”を100曲以上制作。 Stand.fmやYouTubeを拠点に、Apple Music・Spotifyといった世界の音楽プラットフォームでも配信を広げています。 “ネオDJ”の由来は、コンテンツレジェンドと名高い奥田裕之プロデューサーが命名。 「ただの楽曲提供者」ではなく、その人の物語を音楽に変換する語り部でありたいという強い想いで活動中。 Kindle出版、コミュニティ活動、AIイラスト制作とも連動し、音楽を軸に人と人をつなぐ「新しいDJ像」を発信しています。 聴いた人が「これは、あの人の歌だ!」と感じられる、そんなパーソナルで心を動かす音楽を、日々お届けしています。
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