Lyric

気づけば森を歩いていた

手招く方へ歩いていた

筆を持つ手を動かすほど

霧の深まる世界だと知った

いつか夢見てたような

宝の地図などはないと知った

擦り切れた足を引きずって

暗闇の向こうを目指した

ここはどこだ　僕は誰だ

綺麗な花など咲きはしない

ただ命が枯れるだけ

何を望もうとも　やがて消え失せてくだけ

どうせ君もいなくなるんだろう

知らない方がいい

知らない方がいい

結末を知った映画ほど

つまらないものはないだろう

起承転結もないままに

ただ終わりへ進んでいる

叶わぬ夢ならいらないと

大人になるほど捨てていく

生きる意味を知ろうとして

空虚な偶像に祈っている

ここはどこだ　君は誰だ

飽きるほど書いていた小説を

踏み潰し歩いている

何を祈ろうとも　何も変わりはしない

不確かな心の行き場など

ここにはないのだろう

悪戯に今日を浪費して

空疎な願いを明日に託して

無為に削る命に意味はない

あるはずもないのに

ここはどこだ　僕は誰だ

何度明日を拒んだって

この足は進んでいく

何を望もうとも　やがて消え失せてくだけ

それが生まれたこの世界だ

僕らが歩く世界だ