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Tuning to Hear 。
音楽とマッチングする周波数を探る彼の行為は、
ラジオとは別のもうひとつの回路。
彼の心の奥の内なる回路とコンタクトを取り、
精神の均衡を保つための作業のようにも思われる。
「雨音を背景に音楽を聴き取る。
そしてまた、音楽を背景に雨音を聴き取る。」をモチーフに
制作し2020年にリリースした作品" Raining to Hear "。
その" Raining to Hear " のスピンオフとも言える作品が
" Tuning to Hear " です。
ピアノの音楽にレイヤードされている
雨音のような、さざ波のようなノイズは、
短波ラジオのチューニングノイズです。
Iwamura Ryuta は、この作品で短波ラジオを
「ノイズ発生装置」として使用しています。
フィジカルリリースはカセットテープのみ。
ラジカセから聴こえるチューニングノイズに耳を澄ますという、
リスナーの奥ゆかしくもエキセントリックな行為を通して、
この作品は完結します。
ラジオの選局ダイヤルをランダムに回して生まれる様々な
バリエーションのチューニングノイズ。
ノイズは各周波数固有のものではなく、再現可能なものではありません。
降雨や降雪、風などの気象条件、時間帯、アンテナの方向、
室内の雑音源、身体とラジオの距離など、複雑な条件が相まって、
偶然に発生する" 音色" と言ってもいいかもしれません。
デザインは、Iwamura Ryuta の作品を数多く手掛けているNoritake が担当。
新潟市出身、 東京在住。 作曲家、 ピアニスト。 音楽の " 断片 " で構成された 24 調のピアノ小品集 「Sunday Impression」 「MondayImpression」、 " 聴く " ために " 読む " という逆説的タイトルの ピアノソロアルバム 「Reading to Hear」、 フィルム ・ ミュージック的なアプローチの 「Tokyo Reminder」、 都市のノイズと音楽をコラージュした 「CITY」、 雨音と音楽との境界を探った 「Raining to Hear」 、 トイ楽器を軸に、日々の暮らしの行為までも音楽に取り込んだ「Symphony」など 常に音楽とその聴取のあり方を問いかける作品を発表してきた。
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