「今日よりも酷い今日を 繰り返す部屋の隅で
君はなぜ理由もなく 何のため生きるのか?」
問い詰める声はやがて 饒舌な思想として
憂鬱な日々の隙間 僕の心を諭す
画面越しの笑い声も 映り込んだ請求書も
我先にと僕を煽る 「いますぐ消えてしまえよ」ってさ
「自由な死者に救済を 自由な死者に祝福を」
誰も彼もが叫び立てる 無意識の号令
「自由な死者に解放を 自由な死者に喝采を」
右も左も居場所のない 不自由な時代に
何一つ希望は 持てないままでいい
君が全て終わりにできるから
「隣人の愛がなくば 自らも愛せぬだろう
虐げた敵が誰か 分かってるはずだ」
ワイドショー ビルを焼いた 部屋中に悲鳴が満ちた
それこそが狼煙だった 僕を駆り立てる神
もう誰にも望まれずに 一人きりで生きるのなら
もっと辛い日々が続く それならいまここで
「自由な死者に制裁を 自由な死者に報復を」
誰も彼もが待ち焦がれる 無差別な銃声
「自由な死者に決断を 自由な死者に結末を」
前も後ろも逃げ場はない 不条理な未来に
何一つ奇跡は 起きないままでいい
君が君の救いになれるなら
死にたいと君が受けた屈辱のその正体は
無自覚に笑う彼に 殺された君自身だ
だからこそ 無論ここで 復讐を果たすべきだ
思いつくがままでいい 君の答えを示せ
命に価値があるなんて時代 それ自体がすでに腐っている
明日また病院へ行こうと かけた電話は繋がらない
何もかも嫌になった
「自由な死者に救済を 自由な死者に祝福を
自由な死者に制裁を 自由な死者に報復を」
「自由な死者に尊厳を 自由な死者に敬愛を」
誰も彼もが叫び立てる 無秩序の肯定
「自由な死者に惜別を 自由な死者に冥福を」
上も下もあるはずのない 美しい命に
何一つ世界に 失うものはない
君が全て終わりにできるから
君を終わりにできるから
- 作詞
宏川 露之, ein himinn
- 作曲
ein himinn
ユキニフル の“フリーデッド”を
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ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
フリーデッド
ユキニフル
- 2
死の意思の記録
ユキニフル
- 3
遠吠えとドライヤー
ユキニフル
- 4
学期末ロードサイド
ユキニフル
- 5
散らない言葉
ユキニフル
- 6
或ル少年少女ノ「シ」
ユキニフル
「少年少女の「シ」には理由らしいものはなくて─」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album。
<自由な死者>を標的にした号令が繰り返される楽曲『フリーデッド』、
物語はそのタイトルと同じ病名について語られるところから始まる。
<フリーデッド症候群>と呼ばれる、自殺願望を抱く少年少女たちがある施設に集められる。少年ソウヤはそんな集団のうちの一人として目を覚ます。しかし彼にはそこに至るまでの記憶がない。
何一つわからないソウヤに、ただ一人微笑みかけてくれた少女。ソウヤは彼女と自分との関係性を探し出そうとするが──。
楽曲には、ソウヤ自身の遺書をポエトリーリーディングとして構築した『死の意思の記録』、ソウヤの退屈な日々からの逃避行をテーマにした『学期末ロードサイド』、表題曲となり、少年少女それぞれを表現したツインボーカルによる歌唱が特徴的な『或ル少年少女ノ「シ」』などを収録。
誰しもが経験する、少年・少女時代。そこに渦巻く儚く危うげな感情を突き詰めた一作。
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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