或ル少年少女ノ「シ」 (Part "Death")のジャケット写真

歌詞

学期末ロードサイド

ユキニフル

休日 校舎の屋上で 眺めてた「僕らの日常」は

いつでも他人に譲ってしまえるくらいに

それなりに平凡で それなりに窮屈で

それなりに最悪だった

終業式 抜けて 暇潰し 閉業予定のゲームショップ

どうせ明日も今日が 続くと思っていたから

どこまでも無自覚で どこまでも残酷で

どこにだって行けなかった

湿った風 じれる心 辛口のソーダは青色

無味無臭な青春の途中 使い切れない命を無駄にして

何故だか 多くは 語らないような

幸か 不幸か 笑顔のままで

そっと君は 一人で器用に泣いて

どうにか どうにか 僕の言葉で

遠く 遠く 連れて行けたら

あてのない日々に願って

終日 歩き通し僕ら トンネルの隅をくぐっていく

人間不信の甲斐あって健康的で

「後悔はない」って強がった言葉も

限界と気づいたんだ

貰った風邪 乾いた喉 一緒にここを離れようと

飲み尽くした空き缶は自由

逃避行を 始めた朝も

行こうか 戻るか 迷った夜も

いつも僕らは  二人で明日を探した

どんなに どんなに 重たい過去も

遠く 遠く 運んでくれと

頼りない脚に託して

2号線 ひび割ればかりのロードサイド

辛い記憶も 背負うだけなら容易いはずなのに

飛行船 雨雲 濡らした ポートレイト

失くした傘を探すうちに 歩き出せなくなる

電線蹴って飛び立った 夕暮れ カラスの羽根が

時計の秒針みたいに ゆっくり動いて見えた

電線蹴って飛び立った 夕暮れ カラスの羽根が

時計の秒針みたいに いつまでも

何度も 何度も 僕らの旅の

声を 言葉を 思い出してよ

いつか途中の 道をまた歩き直して

最後に 最後に 見上げる星は

どうか どうか 綺麗なままで

戻れない日々に願って

あの日の僕らに さよなら

  • 作詞

    宏川 露之, ein himinn

  • 作曲

    ein himinn

或ル少年少女ノ「シ」 (Part "Death")のジャケット写真

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「少年少女の「シ」には理由らしいものはなくて─」
少年少女はなぜ傷つくのか。なぜ泣いてしまうのか。なぜ生きていられなくなるのか。
その理由の、さらにその根源を、ある少年少女の姿から描いた、ユキニフル5th Novel Album。

<自由な死者>を標的にした号令が繰り返される楽曲『フリーデッド』、
物語はそのタイトルと同じ病名について語られるところから始まる。
<フリーデッド症候群>と呼ばれる、自殺願望を抱く少年少女たちがある施設に集められる。少年ソウヤはそんな集団のうちの一人として目を覚ます。しかし彼にはそこに至るまでの記憶がない。
何一つわからないソウヤに、ただ一人微笑みかけてくれた少女。ソウヤは彼女と自分との関係性を探し出そうとするが──。

楽曲には、ソウヤ自身の遺書をポエトリーリーディングとして構築した『死の意思の記録』、ソウヤの退屈な日々からの逃避行をテーマにした『学期末ロードサイド』、表題曲となり、少年少女それぞれを表現したツインボーカルによる歌唱が特徴的な『或ル少年少女ノ「シ」』などを収録。
誰しもが経験する、少年・少女時代。そこに渦巻く儚く危うげな感情を突き詰めた一作。

アーティスト情報

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