歌詞

乾杯の輪に　君は来なかった

笑顔の海に　一つだけ空席

「また会おう」と言わない強さ

それが君らしいと思った

時計と肩書が　すべる視線

沈黙の中で　暗算の気配

笑ってる　けれど笑ってない

君なら　すぐに気づいたろう

君が来ないことで　思い出は守られた

額縁の絵に　指を伸ばせずにいた

「会いたい人には　会いに行く」

その言葉が　胸に残る

届かない距離の優しさが

今も僕を包んでいる

拍手の音が　遠くに響く

数字が踊る　「頑張ったよ」の声

君ならきっと　笑わずに

静かに茶を　淹れていた

「説明のいらない人だけを残す」

その言葉が　今になって染みる

写真は減っても　ため息も減る

それが君の　選んだ質だった

思い出はもう飾らない

静かな部屋で　灯りだけ揺れる

帰り道　夜風が痛くて

楽しかった“はず”の疲労が残る

過去を今に　無理やり注いだ

その反動を　君は知っていた

だから僕も　行かないことにした

「また会おう」は言わない

会いたい人には　会いに行く

それが　本当の再会だから