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レディオヘッドの『Kid A』や『Amnesiac』の冷徹な美しさと、ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーのスケール感を融合させた、叙事詩的なポストロック/アートロックの傑作です。
楽曲は、5/4拍子の緊張感あふれるヴァースから、4/4拍子の爆発的なコーラスへと変貌を遂げるポリリズム的な構成を持っています。DADGADのオープンチューニングによる変則的なギターアルペジオと低音域のピアノが絡み合い、ドライで親密なボーカルが「自分を傷つけた者への論理的な罪状」を淡々と読み上げます。しかしサビに至ると、アナログシンセとディレイのかかった巨大なバンドサウンドが轟き、「私が手放すのは、相手がそれに値するからではなく、私自身に平和が必要だからだ」という感情の決壊が描かれます。
テーマは「デカルト的赦し(Cartesian Forgiveness)」。「我思う、ゆえに我あり」をもじった「我思う、ゆえに我手放す」という哲学的な叫びが、正義という名の重荷を下ろす痛切なカタルシスをもたらします。
すべての楽器が鳴り止む静寂のブリッジ部分で「赦しとは誰かのために開くドアではなく、自分を囲む壁を壊すことだ」と語りかけるスポークンワードを経て、最後は深いリバーブに包まれたオープンコードの響きとともに静かに減衰していく、圧倒的なエモーショナル・アーク(感情の弧)を持つ楽曲です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。