The Toy Chest Front Cover

Lyric

The Boy and the Clown

Curiosity.

時計台の下で手品を披露する

道化師の前に座る少年が言う

「昨日のことすら、思い出せないから

今は楽しくても、明日になればもう」

時計台の下で今にも泣きそうな

少年を前に見兼ねた道化師が言う

「君の好きなお菓子を

2つ持っていくといい、次にここへ来た時

1つ食べるといい」

「それでも思い出せないなら

全部また話すから

今、ここで食べた分の味もさ」

少年は嬉しそうに受け取って

封を開け、口へ運んだ

正午の鐘が鳴り、鳩の群れがゆく

道化師は優しく笑った

時計台の下の背の高い道化師

お得意の手品も今日はミスが続く

少年は、食べて空になったお菓子の

袋だけその手に握りしめていた

道化師はおもむろにカメラを取り出して

少年の横で戯けてみせた

笑顔を狙い打ち、切られるシャッター

間も無くカメラから生まれ落ちた写真

「君が首から下げている時計に

いま撮った写真を入れておくといい」

「それでも思い出せないなら

全部また話すから

写真に映る僕らが笑ってるわけも」

少年は嬉しそうに受け取って

折れぬよう、そっとしまった

赤い赤いバルーンが空を泳いで

道化師は弱く笑った

道化師は自由に動かない体で

机に向かって、筆を取る

一通の手紙を書き終えると

杖を持って、家を出る

よく晴れた雲ひとつない空

道化師は天を仰いだ

日の当たるベンチに

1人、腰掛けて

目を閉じて、動かなくなった

もう秋っていうのに、今日はどうも暑いな

呻きにも似た声、自分の物だと気づく

滲んでいく手紙の文字と時計台の下

誰かが手を振って笑った気がした

  • Lyricist

    coto

  • Composer

    coto

The Toy Chest Front Cover

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