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大仰なサビの広がり(no dynamic lift in chorus)や空間を漂うリバーブ、そして抒情的なリードギターを徹底的に焼き尽くし、1990年代中盤のダークなブリットポップとグランジの泥臭い衝動(Dark britpop, grunge, indie rock)を融合させた、逃げ場のない密室の飽和音響です。BPM100-108の無骨な推進力。左右にハードパンされた歪んだエレキギターがアタックの強いバレーコードを執拗に掻き鳴らし、低域ではベースがギターの周波数に埋もれて濁る独特のフェイズ・スマア(位相のズレ)を発生。耳にざらつくスネアの直撃と、地鳴りのように鳴り響く重低音のキックが、一切の余韻を許さないタイトでデッドな空間(dead room)を構築しています。スネアの打撃の瞬間に一瞬だけ mix 全体が「呼吸」するように音量が回復する独特のコンプレッション・ダイナミクスが特徴です。
歌詞の核となるのは、コンテクストを力でねじ伏せるフラットな現実主義。「いつもの椅子の上のコート、静まり返ったキッチン、本気で口にしてしまった決定的な一言。理想の明日や過去への逃避を完全に拒絶し、取り返しのつかない沈黙に立ち尽くす男の平熱の独白」。あえてファルセット(裏声)を完全に封印したチェストボイス主体のボーカルは、ピッチ補正(autotune)を頑なに拒絶。感情の負荷によって水分量が不安定に揺らぎ、二重母音の滑りを排して平たく潰した(diphthongs flat)ぶっきらぼうな歌い回しが耳元に張り付きます。静かなセクションほど圧倒的な重圧を晒し、最後は自動フェードアウトを真っ向から拒絶して、リフレインの途中でカミソリのようにプツンと音が完全遮断(instant cutoff)される、引き算の美学の極致です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。