

冬の窓辺に くびれたガラス瓶
白い根が 水の底を探る
片面を終えて 止まったままの針
途中で上げる人は もういない
朝ごと水を替える とぷりと澄む
くびれが支える 冷たい球根
指で触れる 根の先の冷たさ
急かす人のない ゆっくりの冬
根ばかりだった 冬のいちばん底
ある朝てっぺん 緑が覗く
下へ伸びた力が 上を向く
まだ触れずに その先を見てる
硝子の向こう 小田急の音
冷たさが根を ここまで伸ばした
急がなかった分 深く張った
芽の先はまだ 名前を持たない
大和の冬 霜柱を踏んで
凍てた朝ほど 土はやわらかい
冷えた時間が 何かを育てると
急かされぬまま 覚えた体
古い水を捨て 新しく満たす
根が一度揺れ また底へ落ち着く
窓辺に戻せば 冬の陽が射す
咲く前の今日を 水で繋ぐ
急ぐ人のいない 朝の手つきで
古い水を流し 窓辺に戻す
朝ごとの手に ひとつ増えた仕事
ガラスの底で 伸びてゆく白い根
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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ヒヤシンスのアウフタクト
Akemi
「ヒヤシンスのアウフタクト」は、別れの後の冬を一人で越え、自分の速度で次の兆しを迎える女を描いたミディアムテンポのシティポップ。
くびれたガラス瓶、水の底を探る白い根、片面で止まったレコードの針、硝子の向こうの小田急線の音、そしてある朝てっぺんに覗く緑の芽――急かす人のいない部屋で繰り返される水替えが、冷えた時間ほど深く根を張るという再生のかたちを静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、誰かの速さに合わせることをやめ、咲く前の名もない兆しを自分の手つきで迎える、選ぶ意志を秘めた大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、冬の部屋、郊外の沿線、待つ時間を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
古い水を流し、新しく満たして窓辺に戻す――朝ごとの手にひとつ増えた仕事。
ガラスの底で伸びてゆく白い根とともに、まだ名前を持たない明日を繋いでいく――そんな静かな再生を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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