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BPM76の一定のテンポを保ちながらも、随所で感情的なルバート(自由なテンポ)を取り入れた、極めてコンセプチュアルなアートロック/オルタナティヴ・フォークです。日本の伝統楽器である「箏(こと)」の繊細なモチーフが、曲の進行とともに西洋のオルタナティヴ・ロックへとドラマチックに進化していく構造を持っています。ヴァース部分の静謐なアンビエント空間(ブラッシュド・ドラムとアップライトベース)から、サビでのフルバンドによる爆発的な轟音へのダイナミックな展開が、二つの音楽文化が完全に融合することを拒みながらも共鳴し合う、心地よい緊張感(ハーモニック・テンション)を生み出しています。
ボーカルは、日本語特有の繊細な節回しと英語のフラグメント(断片)を巧みに往復する女性の声。感情が高まる瞬間には演歌や伝統歌唱を思わせるメリスマ(一音節を長く引き延ばして歌う技法)や四分音(半音よりさらに細かい音程)のベンドが取り入れられ、「言葉に翻訳できない感情の葛藤」を痛烈に表現しています。完璧なピッチ補正をあえて施さず、部屋の空気感や生々しい息遣いをそのまま残した「わびさび(Wabi-sabi)」のプロダクション哲学が、言葉の壁を超えた生々しい体温を楽曲に宿しています。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。