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簡単で散漫な解説。
昨年『Cut 'N' Paste』をリリースしたとき、「拾遺集」だとしたが、25年版は、以前の版とは収録曲を大幅に変えている。すなわち「立ってるだけ」と「Cut 'N' Paste」を核としたデモテープをもとに、新しくアルバムを編集しなおしたのだ。
1998年に、私は鬱屈した日々を反映した楽曲を収めたデモテープを制作した。そのテープは業界各所をめぐり、とある音楽プロデューサーからの資金援助を受けるにいたった。その後、私の曲がプロの水準に達することはなく、オプション契約は早々に打ち切られたけれども、契約解除の真の理由は、「最初のデモの迫力を凌駕できなかった」からである。
このアルバムには、カセットテープにラフミックスしていた5曲が後半に収録されている。前半5曲は後にリミックスしたものをCD-Rに録音したものである。他、同時期に制作した2曲を追加した。「愛の奇跡」については、昨年末にシングルを切った。あと「Comeback」と「ラブ・フォーエバー」のみが純粋な未発表トラックとなる。
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。