鰯の遁走のジャケット写真

トラックリスト

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1999年、私は確かに「遁走」の状態にあった。他人との関わりが希薄になり、同時代性を感じられなくなっていた。特に音楽においては流行とはまったく無縁になり、帰る家を見失ってしまったように感じていた。
つくった歌のカッコ悪さに、自分でも辟易していたが、その不恰好さを逆手に取ってやれと開き直ったのが、この時期の作品だ。ここに収められた9のトラックいずれもが、恥ずかしくなるようなクサさを放っているが、四半世紀もの時を経た今では、古いも新しいもなく、私には、ただの個性的な歌として響いてくる。
私は確かに崖っぷちまで追いこまれていた。が、だからこそ新境地を開拓できた。「藍を染めあげ」を録音したとき、確かな手ごたえを感じ、もう少しやってみようと決心した。
世紀末のこの時期の歌を紹介できて嬉しい。どうか楽しんで聞いてください。

アーティスト情報

  • 岩下啓亮 Sardine

    鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。

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