Lyric

胸ポケットの穴に　落っことした光

他愛も慈愛も手が入らなかった　底に芽吹いた生命

喉を揺らして声になろうとした想いは

そのまま奥歯で噛み潰して　飲み込んで

眠れなくて暴れ出した感傷は　明け方になって

夜露になって湿った

胸ポケットの井戸　枯れることない底

いつか落ちた声が　今更響く音

腐らずに凍った生命は　日の芽を浴びずとも育った

毒にも薬にもなれない　塩水で潤して

どうしたって消えなかった残像が

目を凝らすたび　今更フォーカスが合っていって

とぐろ巻いて絡み合った感情は　死に損なった

未来も全部持っている

目を開いても閉じても溢れちゃう光を

内側の暗渠にずっと流して　芽を伏せてきた

頬を濡らして溶けていった生命は　太陽が照らして

成就したように光った

愛したいと願う希望も

愛せないまんまの絶望も

全部実らせて咲く　六花