腐る、澱む、濁るのジャケット写真

歌詞

腐る、澱む、濁る

MASAQUI

笑い声が熱すぎる

靴音がベタついてる

香水と排気ガスが混ざって

私の口が濁っていく

腐っていく

少しずつ腐っていく

スクランブルの光が油みたいに伸びる

淀んでいく

またひとつ淀んでいく

信号機の音が喉の奥で止まる

濁っていく

ヘドロのように濁っていく

私の前の空気が誰かの顔になる

夏の夜の繁華街

不規則に絡み合う群衆

イヤホンの音漏れが

左耳だけかじってくる

タバコじゃない匂い

雨じゃない湿り気

コンビニ前の笑い声が

ビニール袋で膨らんでる

嫌だ

嫌だ

嫌だ

今の匂いなに

クラクションがひとつ鳴る

そのあとにふたつ鳴る

鳴ってないはずのクラクションまで

頭の中でリフレクション

腐っていく

少しずつ腐っていく

歩道のアスファルトが悪臭を放つ

淀んでいく

またひとつ淀んでいく

誰かが吐いたタバコの煙がまとわりつく

濁っていく

ヘドロのように濁っていく

空間すべてがマーブルのようにうねる

混沌とした横断歩道

右から誰かの肩が当たる

左から誰かの髪が触れる

後ろから熱い息が迫る

前から腐って淀んで濁った何かが

スマホの画面は明るすぎて

人の目だけ暗く見える

街に流れるポップソングが

ドブみたいに垂れ流される

私が腐ったのか

街が腐ったのか

私が淀んだのか

夜が淀んだのか

私が濁ったのか

誰かの声が濁らせたのか

分からないまま

全部が肌につく

綺麗な人も

楽しそうな人も

みんな少しずつ

夏の音に濡れている

腐っていく

笑い声から腐っていく

淀んでいく

駅前から淀んでいく

濁っていく

私の中まで濁っていく

でも誰も止まらない

誰も振り返らない

靴音

香水

排気ガス

信号

音楽

笑い声

夏の夜が

まだ舌の上にある

  • 作詞者

    MASAQUI

  • 作曲者

    MASAQUI

  • プロデューサー

    MASAQUI

  • プログラミング

    MASAQUI

腐る、澱む、濁るのジャケット写真

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    腐る、澱む、濁る

    MASAQUI

「腐る、澱む、濁る」は、夏の大都市で発生する感覚の飽和状態を記録した楽曲です。

人の笑い声。香水。排気ガス。音漏れ。クラクション。街に流れる音楽。

それぞれは日常の一部でしかないはずなのに、ある夜突然すべてが皮膚にまとわりつき始める。

主人公は街を歩いているだけです。しかし視界も空気も音も少しずつ濁り、世界全体が腐敗していくように感じられる。

都市そのものが変質したのか。それとも自分自身が変質したのか。

答えの出ないまま膨張していく違和感を、高速で脈打つビートに閉じ込めた作品です。

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