

朝の光が 静かに滲む
長い夜を越えた 大地の息
傷だらけの手のひらで
まだ 風を感じている
誰かの祈りが 砂に溶けて
名前のない花が咲いた
世界は美しい 泣きながら笑って
壊れた夢を また拾い上げる
痛みも光も ひとつの歌になる
この空の下で まだ生きている
遠くで誰かが 鐘を鳴らす
その音が心を 包み込む
失くしたものを 数えるよりも
いま在る命を 抱きしめたい
涙の跡に 芽吹くものがある
それを人は 希望と呼ぶ
世界は美しい たとえ夜の中でも
沈む太陽が また昇るように
孤独も愛も 巡りゆく光
この声の限り 歌い続けよう
空に還る塵 海に溶ける声
それでも誰かの胸の中で
明日を照らす灯になる
世界は美しい 終わりは始まり
過去も未来も ここに息づく
痛みも祈りも ひとつの旋律
それが人の証 生きるという詩
そして 静かに笑う
“ありがとう”と 風に言う
世界は美しい——
それだけで 十分なんだ。
- 作詞者
しお旅
- 作曲者
しお旅
- 共同プロデューサー
しお旅
- ドラム
しお旅
- シンセサイザー
しお旅
- ボーカル
しお旅
- フルート
しお旅
- パーカッション
しお旅
- ホーン
しお旅
- 合唱 / コーラス
しお旅

しお旅 の“The World Is Beautiful”を
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塩たびのファーストアルバム『塩の叙事詩』は「塩」をモチーフに、生命の根源、記憶の継承、そして世界の美しさを描く、一つの音の叙事詩である。
アルバムは、リスナーを時空を超えた旅へと誘う。 その旅路において、「Salt Festival ― 祈りと炎の舞」は、生命が最も力強く燃え盛る「動」の瞬間を捉えている。プリミティブな太鼓のリズムとスピリチュアルなコーラスが織りなすのは、人々が炎と塩に祈りを捧げ、命の循環を祝う祝祭の夜だ。この熱狂的なエネルギーこそが、叙事詩の幕開けを告げる。
対照的に、「塩の継承 」は、物語の深淵に触れる「静」のエピローグとして存在する。すべての営みが終わりを迎え、そして同時に新たな始まりへと繋がっていく。ここでは、時間の流れそのものがテーマだ。我々は、静謐でありながらも圧倒的なスケール感を持つサウンドスケープの中で、命と記憶がどう受け継がれていくのかを深く瞑想することになる。
そして、この叙事詩は、「The World Is Beautiful」という名の、感動的な終章で締めくくられる。これは単なるフィナーレではなく、アルバム全体を通して探求してきた「塩の記憶」がたどり着いた最終的な答えだ。海の輝き、風の声、人々の営み——そのすべてが奇跡的な調和のもとに存在しているという、世界への大いなる感謝と希望のメッセージである。
熱狂的な祝祭から深い内省、そして世界の肯定をするまでの私たちの思いの一端を感じてほしい