

高円寺の夜 窓を開けても
動かない熱に スイッチを捻る
カチリと唸る 羽根の向こうで
あなたの背中が 電話を取る
帰れば必ず 窓を開ける癖
それは変わらず 角度だけ直す
網の目に指を 当てれば届かない
回る羽根まで あと一つ分
首を振る風が 頬に触れては
すっと逸れてく あなたの方へ
戻るまでの間を 数えてしまう
タイマーのチチチ 残りを刻む
風の切れ目に 低い声が落ちる
意味は掴めず 遠い英語のよう
首振りのレバーを 中央(まんなか)で止める
逸れる風など もう追わないから
十六号沿いの 夏も扇風機ひとつ
フェンスの向こう 英語が流れてた
近いのに掴めぬ その響きには
手を伸ばさずに 夜を越えてた
止めた首から 真っ直ぐな風
逸れずに私の 前だけ撫でる
タイマーが落ちて コトンと止めば
問わない夜を 私が選ぶ
「どこを見てるの」とは 訊かずに済ます
コンセントを抜けば 羽根が惰性で回る
止まりゆく音の 最後のひと撫で
網の向こうの闇 生ぬるい夏
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

Akemi の“夜風のスタティック”を
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夜風のスタティック
Akemi
「夜風のスタティック」は、逸れては戻る相手の関心を、首を振る扇風機の風になぞらえて数えてしまう疑念の増幅を描いたミディアムテンポのシティポップ。
高円寺の真夏の夜、動かない熱気、電話を取る背中、網の目に届かない指先、残りを刻むタイマーの音、そして風の切れ目に落ちる掴めない声――近いのに触れられない部屋の空気が、問い詰めるでも解くでもない不安の輪郭を静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、掴めない声を追えば際限なく疑いが増幅すると知りながら、首振りを中央で止めて追うのをやめる側に立ち、自分の距離を自分で決める大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、都会の夏の夜、扇風機の唸り、開けた窓の湿度感を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
首振りのレバーを中央でロックし、逸れる風ではなく自分の前だけを撫でる風を取る。
「どこを見てるの」とは訊かずにコンセントを抜き、惰性で止まりゆく羽根を見送る――そんな問わないと決めた真夏の夜を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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