

井の頭通り 日が傾く部屋
厚いガラス花瓶 棚から下ろす
キッチンへ運んで 水を満たす
隣の部屋から ラジオが低く
卓上へ戻す 花を一束
鋏で茎を 短く揃える
一輪ずつ立て 水位を読む
ガラスの中で 花首を立てる
整い終わって 一歩下がる
ガラスの中で 水平が並ぶ
一輪だけが わずかに傾く
指が伸びて 空中で止まる
花瓶の縁に 指を寄せて
ガラスに触れず 手前で外す
ずれた一輪 そのまま残す
テーブルから 一歩遠ざかる
大和の商店街 花屋の朝
鋏の音が 茎を短く
店主が一輪 わざと斜めへ
私の指も そこで止まる
整いきらないまま 手を引く
ガラスから 体ごと離れる
一輪のずれを 直さず手放す
花首の傾きを 夕に残す
あなたが出てきて 「いい花だね」と
私は「うん」と 短く返す
わざと直さなかった とは言わずに
ずれた花瓶の前 湯を注ぐ
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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花瓶のアシンメトリー
Akemi
「花瓶のアシンメトリー」は、整え終わった花瓶の一輪の微かな傾きを直さず手放す、土曜の午後の小さな選択を描いたミディアムテンポのシティポップ。
井の頭通り近くの居間、棚から下ろした厚いガラスの花瓶、鋏で揃える茎、ガラスの中で立てる花首、そして整い終わった瞬間にひとつだけ外れた花の角度――完璧に整える代わりに、ずれの側に半歩立つ女性の手つきを静かに浮かび上がらせる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、整いすぎを完成と呼ばないために、自分の側へ小さな歪みを引き受けることを選び直す大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやアーバン・ポップが持っていた、都会の夕方、生活道具と指先の関係、二人で暮らす部屋の静かな手つきを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
大和の商店街の花屋で、店主が一輪だけわざと斜めに置いていた手つきを、今のAkemiの指がなぞって止まる。
あなたの「いい花だね」に「うん」とだけ返して、わざと直さなかったとは言わず、傾いた花瓶の前で湯を注ぐ――そんな整いすぎない側に立つ午後を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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nanayon music



