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「自販機に決済を拒絶される苛立ちや、何日も同じ服を着て溜まる代わり映えのない退屈」を、初期衝動に満ちたガレージ・パンクの爆音と10代特有のヒリついたスローコアの美学で泥臭く封じ込めた、BPM145(Aマイナー)の極めて荒々しく不敵なローファイ・ロックです。楽曲の最大のフックは、完璧なデジタルクォンタイズや小節の対称性を徹底的に拒絶した「不器用なライヴ・ドラム(live unquantized acoustic kit)」。人間の話し言葉のどもりや stymie(つっかえ)をそのままリズムグリッドに変換したような不規則なスタッター・ビートと、意図的にボリューム限界を超えてラウドミックスされたシングルコイル・ギターの過激なハウリング(フィードバックノイズ)が、聴き手を逃げ場のない部室のような密室へと引きずり込みます。
最大の特徴は、作為的な「生の演出」や安易なスローガン(広告的なフレーズ)を完全に排除したその徹底したリアル。ボーカルはマイクから極めて近い距離で捉えられた、ピッチ補正(オートチューン)無しの男性バリトン。サビ(コーラス)に突入した瞬間に3声の完全に調律のズレた剥き出しのグループ・スクリーミング(マルチ・ヴォイス)へと雪崩れ込み、感情の決壊を証明するように生々しい「喉の割れ(ブレス・クラック)」を覗かせます。さらに、中盤のブリッジでは、何の前触れもなくギターやシンセが全消滅し、キックの生音と人間の「荒い呼吸音」だけになる劇的な構造的崩壊を敢行。聴き手が息を呑んだ直後、何のビルドアップも挟まずに再び赤線(レッドライン)の歪みの限界まで達した爆音が脳内へ直接殴り込んでくるカタルシスは圧巻です。最後は解決のコードを鳴らさず、ドラムがリズムから完全に躓いた瞬間にマイナス1.0 LUFSの透明なリミッターがスパッと完全な真空の静寂へと遮断。安易な希望や若さの美化を歌わず、ただ「今ここにある摩擦」だけを提示する、息をのむほどに冷徹で強烈な傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。