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人間の許容範囲をこえて有機的に加速(アクセラレート)していくビート、極限状態のなかで「考える暇があるなら身体を動かせ」と強迫的に迫る、脳内麻薬直結のポスト・パンク・ディスコです。楽曲の核を形成するのは、ベース単体で歪みの限界(レッドライン)まで過激にドライブさせた、呪術的でヘヴィなリチュアル・ベースリフ(overdriven bass-driven ritual riff)。そこへ、完璧なデジタルクォンタイズを放棄し、人間のアドレナリンの隆起に合わせてBPM155から物理的にぐんぐんと速度を上げていく、乾いたアコースティック・ドラムキットが合流することで、聴き手の身体を強制的に前のめり(フォワード・ボディリーン)にさせます。
楽器構成は、シンセサイザーや情緒的なコード進行を一切排し、限界まで肉体を酷使するポスト・パンク・バンドの骨組み(Blunt band setup)のみ。ボーカルはマイクとの距離がゼロに近い位置で捉えられた、平熱ながらも息の切れた男性バリトンのリード。歌詞は「汗」「膝」「喉」「心臓」といった即物的な身体のパーツのみにフォーカスし、余計な詩的メタファーや感情の説明を徹底的に拒絶します。サビ(コーラス)ではチューニングのズレた3声の剥き出しの怒号(3-voice chant)が「TOO FAST TO FEEL(速すぎて何も感じられない)」という強烈なフレーズを解決なしにリフレイン。2番のヴァースでは、シンガーが過酷な演奏のなかで不意に素で吹き出してしまった「生の笑い声(Genuine laugh artifact)」や、喉の割れ(スロート・クラック)がそのまま未編集で残されており、生々しいドキュメンタリーのような実存感を放ちます。中盤の「チェント・ブレイクダウン」では、突如すべての楽器が剥ぎ取られてベースのみになり、そこへ1拍ごとに床を叩き割るような「生の足踏み(Live foot stomp)」の爆音が重なることで、脳内の雑音を完全にシャットアウト。最後は肉体が限界を迎える手前で、ベース弦を引っ掻く強烈なスクリーチ音が鳴り響いた刹那、マイナス1.0 LUFSの透明なリミッターがスパッと完全な真空の静寂へと遮断。安易な救いや終わりを提示せず、ただ圧倒的な身体的衝撃だけを脳裏に焼き付ける傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。