

窓枠が切り取る四角い空
誰も見ない時間の移動
白い紙が机で呼吸してる
まだ名前のない何かを抱いて
君は箱に「永遠」を探してた
父は「名前」を握りしめてた
開けてみたら風が抜けるだけ
棺みたいな幸福の形
意味なんて最初から
なかったのかもしれない
でも探してしまうのが
僕らのDNAに刻まれた病
幻想と現実の狭間で
宙吊りになった言葉たち
差し出せない
受け取れない
白紙のまま震えてる
ねえ
あわいに立って見える景色は
透明で
曖昧で
美しいかい?
それとも僕だけがそう思ってるのかな
雨の日
傘を忘れたふりをして
濡れることで確かめた体温
母の手が昨日より軽くて
消えていくものの質量を知った
病院の廊下
足音だけが
遠くまで響いて戻ってこない
何も感じないことが
一番正直だったりして
もし僕が君で
君が僕だったら
この白紙に何を書くだろう
答えを探すたび問いが増えていく
無限ループの中で踊ってる
言葉が剥がれ落ちていく
時計の音も遠ざかる
白い紙に引いた一本の線が
宇宙の始まりみたいに見えた
幻想と現実の境目で
浮遊してる僕らの影
語れない
名付けられない
沈黙だけが本当だったんだ
あわいで呼吸する今日も
不確かで
不完全で
愛おしいでしょう?
君と僕の交点は
きっとこの余白なんだ
白い紙を
君に渡すよ
何も書いてないけど
それが僕らの答えだって
いつか気づくかな
それとも永遠に気づかないかな
でもそれでいいんだ
わからないまま生きてくのも
また一つの正解だから
- 作詞者
nought
- 作曲者
nought
- プロデューサー
nought
- ギター
nought
- ベースギター
nought
- ドラム
nought
- キーボード
nought
- シンセサイザー
nought
- ボーカル
kuu
- ソングライター
nought

零壱ノ間 の“あわい”を
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- ⚫︎
あわい
零壱ノ間
『あわい』は、幻想と現実の狭間に漂う、言葉にならなかった感情たちのための歌。
誰かが与えた物語でも、ただ在るだけの現実でもない、
その「あわい」に立ったとき、私たちは初めて、自分の声を聴くのかもしれない。
白い紙、折れた傘、母の手の軽さ、
一本の線、沈黙、雨、風、
そして、差し出されたままの余白。
この曲は、意味を語るためのものではなく、
意味が生まれるための「余白」を、聴く者にそっと手渡すためのものです。
語らずに渡すこと。
受け取る側が、自らの意味を見出すこと。
それが、この歌のすべてです。
あなたが今、この音に触れたとき、まだ名前のない何かが、静かに息をし始めるかもしれません。
そしてそれは、語られなかったあなた自身の物語かもしれません。



