

つつじの花咲く丘の坂道 季節は春だと仮定する
息を堰切らし たどり着いたよ きみの待っている病院へ
ぼくは週に一度だけ 注射をうちにくる
患者であふれる待合室は 若さもてあますぼくにはつらい
奇妙なにおいに満ちた部屋から やつらに内緒で脱け出そう
歩けないきみの身体を解き放つために
きみはきれいだよ とてもきれいだよ
ぼくが嘘をいうわけ ないだろう
きみはきれいだよ とてもきれいだよ
またぼくは会いにくるよ 約束だよ
ぼくの指さしたところをごらん あそこがぼくらの住む町さ
崩れ落ちそうな空に願うよ もう少しだけ泣かないでと
ぼくになにができるだろう 外に連れていく以外
きみはきれいだよ とてもきれいだよ
気休めでも同情でもないさ
きみはきれいだよ 信じておくれ
きっとぼくはまたくるよ 約束だよ
走りだすきみを もう一度みたいな
きっとそれはすてきだろう すてきだろう
- 作詞者
岩下啓亮 Sardine
- 作曲者
岩下啓亮 Sardine
- プロデューサー
岩下啓亮 Sardine
- レコーディングエンジニア
岩下啓亮 Sardine
- ミキシングエンジニア
岩下啓亮 Sardine
- シンセサイザー
岩下啓亮 Sardine
- ボーカル
岩下啓亮 Sardine
- ピアノ
岩下啓亮 Sardine
- プログラミング
岩下啓亮 Sardine

岩下啓亮 Sardine の“病院”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- 1
夜のしじまに
岩下啓亮 Sardine
- 2
空の下のリベルテ
岩下啓亮 Sardine
- 3
セラピー
岩下啓亮 Sardine
- 4
魚群
岩下啓亮 Sardine
- 5
ライナスの毛布
岩下啓亮 Sardine
- 6
メイド・イン・USA
岩下啓亮 Sardine
- 7
最悪の朝
岩下啓亮 Sardine
- 8
けだもの
岩下啓亮 Sardine
- ⚫︎
病院
岩下啓亮 Sardine
- 10
プライド
岩下啓亮 Sardine
私は1982年ごろから本格的に曲をつくり始めました。翌年1983年にはマルチトラックレコーダーを導入し、それから数年間の試行錯誤を経て、作詞・作曲から演奏・歌唱・録音までを、自分一人でできるようになりました。
『Everything / Nothing』は、私が1986年の夏に制作した作品集です。自宅録音にありがちな内向性や歌の弱さを克服しようと考え、パンチが効いた明瞭な曲調と、はつらつとした歌い方を心がけました。完成したときは、「はじめて納得いく作品集ができた!」と思いました。
ジャケット画像で私の側にいる人物は、亡き友人、魚住隆二です。いつも挫けそうになる私をさりげなく励ましてくれた、そしてトッド・ラングレンやフランク・ザッパの面白さを伝えてくれた彼に、この作品集を捧げます。
2025年版は、音質をアップデートし、より聞きやすくなりました。
アーティスト情報
岩下啓亮 Sardine
鰯こと岩下啓亮 Sardineです。 1983年から2003年までの20年間で、ひとり多重録音した楽曲が約200曲あります。これらを8枚のアルバムにまとめて2024年に順次アルバムをリリースしました。2025年はアンソロジーの代わりに、年代順に編集したアルバムを発表します。 その音楽は、多種多様です。親しみやすいポップスもあれば、社会的視点をそなえたメッセージソングもあります。プログレッシブな構築性もあれば、パンク的な破壊志向の側面もあります。手ごわいピアニストで、マッドなシンセサイザー弾きで、たどたどしいギタリストで、音の読めるベーシストで、緩いリズムのパーカッショニストで、ひとり多重コーラスを駆使する、不器用なシンガーソングライターです。それらすべてのパートが、一つの人格に統合されているのです。 ロマンチックと薄情と情熱の混淆、とりとめもない不安と届かぬものへの憧憬を描いた、オールディーズだけどもエヴァーグリーン。表情豊かな鰯の音楽を、ぜひお聞きください。
岩下啓亮 Sardineの他のリリース