

分厚いガラス越し 夜の滑走路(ランウェイ)
鞄に詰めた 無謀な夢の束
帰らぬ覚悟と 乾いた喉だけ
闇に浮かび出た 誘導灯(ライト)の一列
夢など見るなと 諭したあなたへ
渡した航空券(チケット) 答えは知ってた
穏やかな日々を 捨てられない人
逃げ道を消す 一枚だったのよ
最終案内(アナウンス)が鳴る ロビーの片隅
来ないと分かって 探すのはやめる
平気なふりして 引いた線(ボーダー)よ
悲しむ代わりに 知らない空へと
飛び立つ爆音(ノイズ) 鼓膜を揺らすの
国道(ルート)沿いの夜 見上げたあの空
網目の向こうで 夢見た景色が
あの日よりずっと 近くに感じる
搭乗口(ゲート)の向こうへ 歩き出す時に
振り返らないと 決めていたはずよ
聞き違えたのね 気まぐれな風に
少しだけ足が 止まってしまうの
最終案内(アナウンス)が止む 人影は見えず
後悔はないと 自分につぶやく
強がり選んだ 空へと向かうの
秋の夜風を 背中に置いて行く
静まり返った 暗闇の機内(キャビン)
サインのランプが ひとつずつ消える
空いた隣席(シート)に 誰も座らない
冷たい縁(ふち)だけ 指先でなぞる
- 作詞者
Akemi
- 作曲者
Akemi
- プロデューサー
nanayon music
- ミキシングエンジニア
nanayon music
- ボーカル
Akemi

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空席のディパーチャー
Akemi
「空席のディパーチャー」は、来ないと分かっている相手に自ら航空券を渡し、確かめてから発つことを選んだ夜を描いたミディアムテンポのシティポップ。
分厚いガラスの向こうの滑走路、鞄に詰めた無謀な夢の束、闇に並ぶ誘導灯、鳴り止む最終案内、そして最後まで空いたままの隣席――出発の手続きが淡々と進むほどに、答えを自分の手で確かめてしまった女の静けさが浮かび上がる。
架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、引き止められないと知りながら誘い、来ないという事実をあえて確定させることで、迷いの余地を断ち切って発つ大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやアーバン・ポップが持っていた、夜の空港、金網越しに見上げた空、片道の旅立ちを描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。
振り返らないと決めていたはずの搭乗口で、気まぐれな風を人の気配と聞き違え、足がわずかに止まる。
灯りの落ちた機内で、誰も座らなかった隣席の冷たい縁を指先でなぞる――そんな確かめ終えた別れの余韻を描いた楽曲。
Produced by nanayon music.
アーティスト情報
Akemi
1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。
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