

私の足の小指について
考えたことなんて ほとんどない
もちろん名前は知ってる 存在も知ってる
でもいわば 空気みたいなものだった
日々の生活で意識しない
靴の中では沈黙を守り
集合写真だったら端っこで
「できるだけ写りたくない」って顔するタイプの奴
けどあの日、角にぶつけた
一瞬の静寂ののち
世界のすべてが小指のためにあった
私は ただ立ち尽くすことしかできなかった
私の足の小指
なぜお前だけ あんなに痛い
普段は沈黙を貫くくせに
なぜその時だけ 命を燃やす
私の足の小指
お前に振り回される数分間
感情も思考もすべてを奪って
ただ痛みだけが残る
おそらく世界中が
お前のことを今日も忘れて生きてるだろう
歴史の教科書にも載らないし
ラブソングの主役にもならないけど
ぶつけたときに知る
その瞬間 お前のことを
人はその時 悟るのだ
「痛みとは…痛みである」と
私の足の小指
なぜお前だけ あんなに痛い
他の指ではそんなことないのに
おかしいだろう
私の足の小指
ぶつけたことも お前のことも
いつか忘れるけど
ああ またいつか思い出す
お前がいることを
- 作詞者
Oft’n
- 作曲者
Oft’n
- プロデューサー
Oft’n
- ボーカル
Oft’n

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私の足の小指
Oft’n
普段は気にも留めない、でも、ぶつけた瞬間にすべてを支配する存在——足の小指。
『私の足の小指』は、何気ない日常の一部であるはずの“彼女”が、突然主役に躍り出る瞬間の理不尽なまでの痛みと、その存在感をユーモラスかつ哲学的に描いた異色の詩的楽曲です。
靴の中でひっそりと、目立つこともなく生きる小指。けれど角にぶつかったその刹那、世界は一変し、時間も思考も痛みの渦に吸い込まれていく——。“痛みとは、痛みである”という名言(迷言)とともに、小さな存在の大きな影響力を見事に歌い上げます。
笑ってしまうのに、なぜか少し切なくて、そして確かにわかるその感覚。日常の「あるある」を、ちょっぴりアートに、そして全力で面白く仕上げたこの楽曲は、聴いた人の心と小指に、じわりと響きます。
アーティスト情報
Oft’n
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