片手のアンサンブルのジャケット写真

歌詞

片手のアンサンブル

Akemi

靖国通りの 風の交差点

コートのポケット 左だけの革

いつ落としたか 辿れない冬

右の素手から 冬が入り込む

並んで歩く 冬のあいだは

右だけ外して ポケットの中

つなぐ手のひらは 革より熱い

別れてからは 外す用もない

捨てれば軽い 左の一枚

残せば冬中 揃わないまま

売り場の新しい 対を見てても

指が伸びない まだ伸びない

落とした場所を 辿ってみても

改札 喫茶 タクシーの座席

別れの日付も 同じくらいに

どこと言えない 薄れ方する

つないだ帰りに 外して仕舞う

外す方の手は 落とす方の手

手を振る側で 育った右手は

手袋も先に 放してたのね

左は着けて 右は素手のまま

揃わない手で 冬を歩くわ

かじかむ指は 拳にたたみ

新しい対は 春まで買わない

九段下の坂 日暮れの風に

右手を出せば 直接の冬

歩幅は前より 少し速くて

革の左手 拳の右手

  • 作詞者

    Akemi

  • 作曲者

    Akemi

  • プロデューサー

    nanayon music

  • ミキシングエンジニア

    nanayon music

  • ボーカル

    Akemi

片手のアンサンブルのジャケット写真

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    片手のアンサンブル

    Akemi

「片手のアンサンブル」は、別れて最初の冬を、片方だけ残った革手袋とともに歩く時間を描いたミディアムテンポのシティポップ。
風の抜ける靖国通りの交差点、コートのポケットに残る左だけの革、売り場の新しい対に伸びない指、辿れない改札や喫茶の記憶、そして日暮れの九段下の坂――手をつなぐために外していた癖こそが喪失の由来だったという気づきを、静かに浮かび上がらせる。

架空のAIシンガー Akemi が歌うのは、失くした片方をすぐには埋めず、新しい対は春まで買わないと自分で喪の期間を区切る大人の感情。
70年代後半から80年代初頭のニューミュージックやシティポップが持っていた、冬の街角、革手袋、別れの温度差を描く叙情性を下敷きに、現代的な感性で再構築した一曲となっている。

左は革のまま、右は素手のまま、かじかむ指を拳にたたんで日暮れの坂を下りていく。
揃わないことを埋めずに、前より少し速い歩幅で自分の冬を歩く――そんな喪失の輪郭を描いた楽曲。

Produced by nanayon music.

アーティスト情報

  • Akemi

    1970年代後半〜80年代前半の「シティポップ/ニューミュージック」が持つ哀愁と夜の空気感を、生成AIと編集で“作品として”再構築する音楽プロジェクト。 Akemi(アケミ)は、神奈川県大和市出身という設定で生まれた架空のAIシンガー。都会の孤独、大人の恋、夜の感情を、ノワール調のシティポップとして歌う。 作詞・作曲・歌唱・ビジュアルは生成AIを制作ツールとして用いながら制作し、「AIの中にある人間味と懐かしさ」をテーマに探求している。

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