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「Divertimento」の一曲目。タイトルの通り、「Serenade」の伝統の一つに従い、ギターを模したピチカートと単旋律によって始められるが、明るいホ長調とはいえ、非和声音の多用や頻繁に起こる転調による脱線によって、額面から期待される内容からは外れたものとなります。ソナタの冒頭の楽章のように、後に続く楽章に対してモティーフを示す役割を持っており、冒頭の三音「G#-A#-B」に含まれる跳躍音程と、その読み替えから得られる短三度順次進行、それに続く音階進行が「Divertimento」全体の基本モティーフとなります。
A-B-A’の三部形式ですが、Aは弦楽器のみ、Bは管楽器のみ、A’は両方を用いていますが、中間部Bのモティーフも音階進行と短三度順次進行を読み替えたもの、A’ではA,
B両方の要素を結び付けています。明るく終わるはずのコーダに次の曲「Sarabande」の暗いイ短調が割って入り、結局のところ、この一曲目から「Serenade」のタイトル同様に「Divertimento」という全体の筋書き自体が初めから破綻していることを示します。

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