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潮が満ち、潮が引く。
その永遠に繰り返されるリズムの中で、修道院は静かに時を刻み続けている。
「Mont Saint-Michel」は、RIN & THE CONTINUUMによる世界遺産シリーズ第4作。
フランス・ノルマンディー沖に浮かぶ神秘の修道院を舞台に、潮の満ち引きと光の移ろいを、優雅な6/8拍子のモダンジャズ・ピアノトリオで描いた作品である。
穏やかなピアノのワルツから始まる旋律は、静かな海面を渡る風のようにゆっくりと広がり、ルカ・モレッティのウッドベースが波のうねりを思わせる深いリズムを刻む。
マリク・ジョンソンのブラシワークは、水面に揺れる光や潮の息づかいを繊細に描き出し、藤堂凛のピアノは、透明感あふれる旋律から美しい超絶技巧へと自然に発展していく。
静寂と躍動。
海と空。
信仰と自然。
幾世紀にもわたり人々を迎え続けてきたこの孤島の美しさを、三人の繊細な対話と豊かな即興で描き上げた、祈りに満ちた一曲である。
RIN & THE CONTINUUM は、日本人女性ピアニスト・藤堂凛を中心に結成されたモダンジャズ・ピアノトリオ。 圧倒的な演奏技術とシネマティックな構成力を武器に、モダンジャズ、フュージョン、ロック、現代音楽の要素を横断しながら、強烈な物語性を持つインストゥルメンタル作品を生み出している。 藤堂凛のピアノは、繊細な静寂から爆発的な超絶技巧までを自在に行き来し、複雑な変拍子や転調を感情表現へ昇華させる。 イタリア出身のベーシスト、ルカ・モレッティは、メロディックかつ流動的なプレイでトリオ全体に深い推進力を与え、アメリカ出身のドラマー、マリク・ジョンソンは、圧倒的なグルーヴとリズム構築力で楽曲の空気そのものを変化させる。 彼らの音楽は単なる技巧の誇示ではなく、 “静と動”“知性と感情”“混沌と美”を行き来する、ひとつの映画のような体験である。
SNAP