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娘が「うちに誰か遊びに来ないかな」とつぶやいた。そのひと言から、小さな掃除ごっこが始まった。「じゃあ掃除しなきゃね」と半分冗談で返したら、火がついたように動き出したきみ。一段一段、一枚ずつ、新しいシートで拭くという、きみだけのルール。二十枚入りのシートは、あっという間になくなった。非効率かもしれない。でも、その誇らしげな手順は、きみだけの正しさだった。

トーストが焼ける横で、真剣な顔で階段を拭き、「今掃除してるよ」と響く声。その背中は、なぜか頼もしく見えた。スマートフォンを渡すと、光を隅々にあて、宝物を見つけたみたいにほほえむ。最後の一枚をそっと使い、「終わったよ」とソファに座る。そこに残ったのは、べたつく床と濡れた階段。でも直さなかった。それが、この朝にはふさわしかったから。

正直、きれいになったとは言えない。むしろ、散らかったかもしれない。でも、きみがやりたいようにやった。それが、今日一番大事なこと。効率や正しさを超えて、心のままに動く。その姿は、いつか誰かを迎える、きみなりの方法になるのかもしれない。親がそっと見守る朝の物語を、やわらかなアコースティックサウンドにのせた一曲。

アーティスト情報

  • BAYABAYA

    日本を拠点にインストゥルメンタル音楽を制作しています。 テーマにしているのは、季節の移ろい、一日の時間の流れ、そして街や自然の風景です。春の朝のやわらかな光や、夏の夜の静けさ。秋の街角の彩りに、冬の午後の落ち着き。そうした何気ない瞬間を音に置き換えるように曲を紡いでいます。 言葉を持たない音楽だからこそ、聴く人それぞれが自由に物語を描くことができます。過去を思い出すこともあれば、いまを静かに味わうこともある。未来の景色を想像するきっかけになるかもしれません。 聴く人の日常に、静かに彩りを添えられる音楽でありたいと思っています。

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