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小さなお皿を地図みたいに並べた「はじまり」。ドアを開けた瞬間に広がる“期待のにおい”。けれど、思い描いたかたちとは違って——「こんなのじゃない…」とこぼれる涙。歌詞は、失敗の痛さではなく、そこに込められた手順と気持ちの細部へと寄り添います。
家にあるお菓子を慌てて並べ直し、「だんだんパーティーらしくなってきたね」と笑い合う場面では、少しずつ戻る表情に合わせて、紙のお人形まで微笑むように描かれます。うつむいて「大成功じゃなかったね」とつぶやく正直さは、飾りではない言葉の重み。コーラスでは「期待がこぼれたテーブル」の上で、言葉より先に気持ちが届く感覚を、春の空気とともに掬い上げます。
「自分で選んで、自分で動いた一日」への祝福。思い通りにいかず流れた涙さえ、いつか力になる——そんな確信が、となりに立つ親の視線でそっと提示されます。最後は「来年また」の約束へ。うまくいくかどうかは分からない。けれど今日のような日を重ねるたび、少しずつ強くなる——歌詞の主題は、季節の入れ替わりのように静かで確かな前進です。
派手な展開よりも余白を大切にしながら、ひな祭りという時間に宿る「準備」「期待」「正直さ」「成長」を、やわらかな春の光で描いたポップ・バラードです。
日本を拠点にインストゥルメンタル音楽を制作しています。 テーマにしているのは、季節の移ろい、一日の時間の流れ、そして街や自然の風景です。春の朝のやわらかな光や、夏の夜の静けさ。秋の街角の彩りに、冬の午後の落ち着き。そうした何気ない瞬間を音に置き換えるように曲を紡いでいます。 言葉を持たない音楽だからこそ、聴く人それぞれが自由に物語を描くことができます。過去を思い出すこともあれば、いまを静かに味わうこともある。未来の景色を想像するきっかけになるかもしれません。 聴く人の日常に、静かに彩りを添えられる音楽でありたいと思っています。