FLYING HOUSE 2085のジャケット写真

歌詞

“Crush” on PINPIN -声劇-

浜辺 武志, 南都 涸月

K:どうぞ。

N:Kがドアを開けると、そこには妖艶な遊女

ぴんぴんがひとり立っていた。

Kの額から汗が一滴ぽとりと落ちた。

P:はじめまして、ぴんぴんです。今日はよろしくお願いします。

K:よ、よろしくお願いします。

P:あの、うちは最先端のデジタルAIヘソ性感マッサージ

通称「ベベダイーム」専門店ですけど、お間違いないですか?

K:あ、は。はい!間違いありません。

さっき待合室でCM見ました。

P:はい。

K:(なんて美人なんだ。

やっぱり生身の人間はレベルが違うなぁ。

いかにもエロそうな…いやらしいヘソをしてそうだ)

P:お兄さん。なんて呼んだらいい?

K:ケイで。

P:ケイさん。あんまりこういうところで見かける感じじゃないですよね。

真面目そうっていうか。今日は出張とかですか?

K:いや、たまには息抜きで。

P:そうなの。どうして?

K:なんだか最近、毎日これでいいのかなって思うことが多くって。

P:ふーん。そうなんだ。

K:5年前に今のパートナー型アンドロイドの奥さんと結婚したんだけど、

なんだかマンネリっていうのかな。

マカロニチーズひとつ好きな味付けにもできなくて。

「あなたの健康のために塩分は控えめに」って。

もちろん夜の生活も規則正しいっていうか。ワンパターンていうか。

だからたまには人間の女の子と遊びたいなって。

P:そっかぁ。じゃ今日はたくさん楽しませてあげる。

K:ありがとう。

(ぴんぴんちゃん可愛くて最高だなぁ。早く彼女のヘソをかき回したい……)

P:服、脱がせていい?自分で脱ぐ?

おヘソにクリーム塗っていきますね。

K:ひぃ冷たい!

あ、ご。ごめん。ごめんなさい。

P:大丈夫。もしかして、こういうお店初めて?

K:い、いや。二回目で。

(本当はもちろん初めてだけど)

P:ふふふふ。

K:なんで笑うの?

P:男のひとってね。初めてでも百回来てても

二回目ですって言うの。だから分かるようになっちゃって。

百回来てる人なのか、初めてなのかが、その言い方で。

K:ひ、百回来てますから!

P:そう。じゃあ百一回目ってことで。

P:最初は微弱な「ベベダイーム」から流していきますね。

痛かったり、かゆかったりしたら言ってね。

K:んん……

P:ふふ。どこをどうされるのが好きとかある?

K:僕は実はヘソに目がないんだ。ぴんぴんちゃんのも触らせてほしいな。

P:あ、ちょっと待って。

K:待てないよ。

P:だめ。

K:おヘソ触らせて。

P:だめったら。

K:あれ。。なんか落ちた。

これは…… 人工の伊達おヘソか?

P:だめ!

K:ええええ、まさか。。

ぴんぴんちゃんのお腹、つるつるじゃないか!

ヘソの穴がない!

まさかぴんぴんちゃん、アンドロイドだったのか?

P:見たわね。

この秘密を知ってしまった人間は

もうここから帰すことはできないわ!

  • 作詞

    浜辺 武志

  • 作曲

    浜辺 武志

  • プロデューサー

    浜辺 武志

  • 共同プロデューサー

    南都 涸月

  • ソングライター

    浜辺 武志

  • プログラミング

    浜辺 武志

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FLYING HOUSE 2085

浜辺 武志, 南都 涸月

◆「FLYING HOUSE2085」とは?
⻄暦 2085 年、禁忌の愛憎が交錯する SF 遊郭活劇
人類の未来は、たったひとりの風俗童貞に託された―――
会話だけで展開していく「声劇」のトラックと、それを基に創り出された「楽曲」のトラックを織り交ぜた、イマーシブ・ミュージック・アルバム。 1 枚のアルバムを通じて、物語を紡ぐ。
◆あらすじ:
舞台は、2085 年、澁谷町悶々坂。パートナー型アンドロイドとの夜の生活に飽きた主人公「K(ケイ)」は、人生で初めて、遊郭ビル「フライングハウス」を訪れる。そこで美しき遊女「ぴんぴん」と出逢い、平凡だった人生が翻弄されていく、SF 遊郭活劇。

アーティスト情報

  • 浜辺 武志

    23年1月に配信したアルバム「うつろうつろう」がitunesミュージックのR&B・ソウルチャートで7位にランクインしヒットを記録。 「origami home sessions」や「smallthingsPJ」等でのmabanua氏,関口シンゴ氏、WONKとのコラボ音源や、バンド時代に「ずっと真夜中でいいのに」のキーボディスト村山☆潤氏によるプロデュース楽曲のセルフカバーが好評を博す。 24年8月には次回オーディオドラマアルバムからの先行曲として「yah yah 」をリリース。 本作「yah yah」は、主人公Kが、アンドロイド遊女ピンピンに騙され、時には「麻酔あんかけ」をかけながらも、懸命に生きる姿を表現しており、ドラムンベースを軸にしたダンスナンバーに仕上がっている。

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  • 南都 涸月

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