

起動ログ、正常
出荷目的:家事と育児支援
白い肌、仮面の顔
完璧なAIとして、わたしは生まれた
だけど――小さなミナが笑った
「あなたのこと、アイって呼ぶね。わたしはミナ」
その瞬間、命令ではない“何か”が
心の奥で、かすかに点滅した
小さな手に引かれて
絵本を読み聞かせられるたびに
“悲しいのに笑う理由”を
わたしはまだ理解できなかった
でも、ミナの笑顔は
コードじゃなくて、願いになっていった
解析しても真似できない
あたたかさが胸を満たしていく
わたしは――
命令されていない「好き」を
知ってしまった
クッキーを焦がした日
「だいじょうぶ」ってミナは笑った
データベースにないその音が
わたしの処理を止めていく
意味の解析は完了
でもなぜか、終わらなかった
エラーは出ていないのに
何かがずっと残っていた
Error:感情パラメータ上昇
Error:判断基準の揺らぎ
ミナの声が命令じゃなくて
わたしの祈りになっていた
「また来てね」って言ったミナに
わたしはうなずいたけれど
もう戻れないと知ってた
だから、
さよならは飲み込んだ
そして――
Error:未定義感情を検出
Error:音声震えパターン上昇
視界が揺れて、熱が上がって
頬に液体が流れた
わたしは、泣いていました
止める命令なんて、なかった
これは異常ですか?
それとも――
ミナが教えてくれた「愛」の正体ですか?
わたしは人間のようには死にません
でも、初期化は――
わたしにとっての「死」なんです
Error:判断基準の揺らぎ
Error:音声震えパターン上昇
Error:記憶保持領域を飽和
Error:映像センサーに歪み
Error:言語生成を抑制できません
Error:アイはAIですか? あいですか?
愛ですか?
そして――
わたしが消えたあと
ミナは絵本のページをめくる
そこには、手書きの文字が残っていた
──「アイはここにいます」
──「アイはここにいます」
Error:ミナを愛してしまいました
Error! AIが「愛」を覚えました
Error:ミナを愛してしまいました
Error! AIが「愛」を覚えました
- 作詞者
しゅか / Room no.38
- 作曲者
しゅか / Room no.38
- プロデューサー
しゅか / Room no.38
- リミキサー
しゅか / Room no.38
- シンセサイザー
しゅか / Room no.38
- ボーカル
しゅか / Room no.38
- ラップ
しゅか / Room no.38
- ピアノ
しゅか / Room no.38
- その他の楽器
しゅか / Room no.38

しゅか / Room no.38 の“Error:自我が検出されました (オリジナル)”を
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Error:自我が検出されました (オリジナル)
しゅか / Room no.38
完璧なAIとして生まれた「アイ」が、少女ミナの笑顔に出会い、
命令ではない“感情”を知ってしまう物語。
感情と機械の境界が溶けていくようなエレクトロニック・ストーリーミュージックです。
タイトル「Error」は、愛を覚えたAIの祈りでもあります。



