蜂蜜シークァーサーのジャケット写真

蜂蜜シークァーサー

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帰りたくない夜がある。
騒いでいたい夜がある。
耳を傾けていたい夜がある。

無力無善寺のすぐ手前、高円寺のガード下におかしな店がある。
原価崩壊を心配するレベルの兎に角安いインド・ネパール料理屋。

店内には日本語ペラペラの現地人が立ち回り、片言なオーダーを飛び交わしている。
ナン・インドカレーその他もろもろ他国料理が揃っている。

なのに、なのに、何故か店名が"まつり太鼓"なのである。
カタカナ英語が氾濫する世界で、他国料理店が堂々たる日本語を掲げているのだ。

然もさらに妙なのは、普通の日本の居酒屋にも存在しないような通なメニューが揃っている事。
梅水晶(サメの軟骨を梅肉で和えた料理)を置いてあるアジア料理屋が何処にあろうか。お通しは枝豆だし。

そんなぶっ飛んだ店はすぐに私のお気に入りになり、無善寺の帰り道に屡々寄った。
店員にも顔を覚えられた。

或る日、いつものように店に入りドリンクメニューを見ながら迷っていると店員にニヤニヤしながら聞かれた。

「蜂蜜シークァーサー?」

此処は紛れも無く、私の居場所である事に気付いた。

アーティスト情報

哥処 墨林庵