Lyric

今、僕らの前に描いてる風景が

過去なら

脆弱な青藍だった

正しく在ろうとした焦りと空

眩暈がするような日射しを

縫うように並んで歩いていた

夏影に沿って引いた線を波が浚う

遠くなった君が手を振る

拒んでも焼き付いた心象に

ユリの花が咲く

涙が辿った感覚を指でなぞっている

雨が伝っていた　空は濁っていく

君も僕もただ居場所が欲しかった

今日だって不甲斐ない僕の言い訳を

君が泣いて笑い飛ばした

鮮やかな温度も　ああ　満たすから

心なんて僕らは透明だ

隠しながら生きてきたんだ

分かっているんだ

もう出かけようか

僕らには

目指す場所がありそうだから

鮮明な思い出だった

走って追い越した

憂いに酔っていた

何をやりたくても重大な責任が

ただ絡まって肺を侵していく

バカみたいだ、と

“届いてよ”

君は叫んでいた　夏の匂いが散る

“誰もが普通に生きていた

それが苦しかった

止まない耳鳴りが

優しい世界を奪ってしまうからさ

それが悔しかった”

今日だって笑えない君の人生を

僕が笑ってやりたかった

鮮やかな彩度で　ねえ　飾ってよ

心なんて最後は同情だ

言葉だって忘れたかった

“分かんないよ”って

君は泣くんだ

風が止む　長い雨が傷を叩く

笑ってないんだけど

笑えてないんだけど

笑ってなんて云えないよ

いつもそうだっけ

分かったから　分かってるんだから

手を伸ばして

描いてほしいんだよ

ここに無いもの　その自由を

今日だって不甲斐ない僕の言い訳を

君が泣いて笑い飛ばした

鮮やかな温度も　ああ

満たしては溢れないように

正しさを壊していく

今日も笑って描いて走っていくんだ

それだけでいいはずだ

今日だって散々な人生だ

僕ら泣いて笑い飛ばした

鮮やかな彩度で　ねえ　飾ってよ

心なんて僕らは透明だ

隠しながら生きてきたんだ

分かっているんだ

もう意味も無いな

夏は往く

裸足のまま連れ去ってくれ

今、僕らの前に描いてる風景が

未来なら