Lyric

“何かを好きでいるのに

代わりにどんなもの

棄てればいいんだろ

君は知ってる？”

何かを好きになること

それすら知らないのに

分かるわけないさ

“そうかな”

君が笑う

ひとつだけ溜息をつく

“ずっと前から私、

絵を描いていたの”

そうだね　出会う前の絵も見たけど

“どうしてだろ

ずっと好きだったのに

素直に描けないんだ

こんな「好き」なら

もう要らないかな？

気付けたのは私の弱さだけでさ

誰のためにもなれない

私にはもう

絵を描くくらいしか無いのにね”

棄てられそうなものなど

僕らには無いよな

殆どの未来を諦め辿り着いた今さえ

不確かなのに

“そう、だからね、私

好きなことさえ

失くしてしまいそうで

息をするのも苦しくなるんだ

つらい夜も優しくなれますようにと

そう願いを込めてたんだ

ひとりぼっちの誰かが

もう泣かないように”

手が震える

“こんな「好き」は

もう要らないでしょう？

こんな小さな想いは

失くしてしまおう”

ああ　朝焼けに照らされて光る

頬の雫を僕に掬えたら

“もう片付けて帰ろうか

付き合わせてごめんね”

君は笑った

言葉をまだ探している

僕に何ができるか

ずっと探している