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スタジオの空気の震え、喉がちぎれるような咆哮、そして演奏中に靴が脱げても構わずに突っ走るような「ただ生きているという剥き出しの事実(バイオキネティック・グルーヴ)」を、一切のスタジオ的調律を排除してパッケージングした、BPM148(Eマイナー)の殺伐として泥臭い生々しいガレージ・パンク・ロックです。楽曲を圧倒的な熱量で牽引するのは、完璧なクォンタイズをあえて放棄し、人間の焦りとアドレナリンをそのまま叩き出したような、生々しく走る(ラッシュ・ベロシティ)アコースティック・ドラム。波形の上部が完全にクリップする(波形歪み)ほど過激に歪ませた重低音のミッド・ベースパルスと、アンプのハウリング(フィードバックノイズ)すらそのまま録音されたギターが、聴き手を逃げ場のないガレージの密室へと引きずり込みます。
最大の特徴は、作為的な「生の演出」を徹底的に拒絶したその実存感。ボーカルはマイクから極めて近い距離で捉えられた、ピッチ補正(オートチューン)無しの男性バリトン。1番のヴァースでリアルに声が掠れる(ボイス・クラック)瞬間や、プレコーラスの背後で誰かが素で吹き出してしまう「生の笑い声(バックグラウンド・ラフター)」すら、編集で消さずにそのままミックスへ残されています。さらに、サビ(コーラス)ではシンガーがフレーズの途中で演奏を中断する「セルフ・ディスラプション(自己中断のハプニング)」が発生。直後、3声の完全にタイミングのズレた剥き出しの怒号(マルチ・ヴォイス・スクリーミング)へと雪崩れ込み、コントロールを失った人間の肉体の生々しさを証明します。終盤のブリッジでは、ギターやベースが完全に消失し、キックと「人間の荒い呼吸音(生々しい息遣い)」だけになる3拍間の劇的な引き算を敢行。最後はアウトロの予定調和すら破壊し、バンド全員がタイミングのズレたフレーズを泥臭く繰り返す「アクシデンタル・レペティション」を経て、フェードアウトに逃げることなく、レッドラインのピークに達した瞬間にスパッと完全な真空の静寂へと遮断される、強烈な余韻を残すアート・パンクです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。