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この曲は、共同体の束縛を断ち切り「個」として自由を得たはずの現代人が、その代償として手にした「骨まで凍みる孤独」と向き合う姿を歌った、内省的で哲学的なフォーク・ブルースです。
かつて疎んじた地縁や血縁という名の「温かい泥沼」を捨て、リベラリズムの理想に辿り着いたはずの俺たち。しかし、そこで待っていたのは、システムという巨大な機械の一部となり、深夜のコンビニの蛍光灯の下でバラバラに漂う虚無的な現実でした。日本的な社会構造の特質である「中空(ちゅうくう)」をキーワードに、拠り所を失った魂が「空っぽの国」でどう生きるべきかを鋭く問いかけます。
しかし、この歌は単なる絶望では終わりません。後半では、孤独をあえて纏い、権力にも孤独にも媚びずに背筋を伸ばして立つ**「粋(いき)」**な生き様を提示します。自由の失敗を笑い飛ばし、このふざけた世界のど真ん中で自分たちのリズムを刻み続ける。絶望を知った上でなお「粋に生きろ」と鼓舞する、現代の漂流者たちへ贈る覚悟のブルースです。
魂を震わせる、人生の機微を歌い上げるブルース&フォークシンガー。 泥臭くもどこか温かい、年輪を重ねたような特有のハスキーボイスが魅力のシンガーソングライター。ブルースが持つ深い哀愁と、フォークミュージックの素朴な手触りを融合させ、人間の光と影、そして何気ない日常の風景をリアルな言葉で紡ぎ出します。 彼の歌声には、長い人生の旅路で味わった喜びや悲しみがそのまま宿っているかのよう。時に力強く吠え、時に隣で静かに語りかけるようなそのボーカルスタイルは、聴く者の心の奥底にある感情を静かに、そして強く揺さぶります。 アコースティックギターの爪弾きと、言葉の端々に宿る体温。藤原幾世史の音楽は、一人静かにグラスを傾ける夜や、ふと立ち止まって自分を見つめ直したい時にそっと寄り添ってくれる「大人のためのサウンドトラック」です。